『世界』2023年6月号 小松原香織「災厄の記憶を継承する 最終回 呼ばれて、繋がる」

 

水俣病患者自身ではなく、他所から水俣にやってきて水俣病の問題に関わり続ける人たちがいる。そういう「よそ者」に思いを巡らす最終回。

 水俣病センター相思社の職員に焦点を当て、「よそ者」という立場で水俣病に向きあう際の葛藤や逡巡が伝えられる。水俣に住み、地元の人と共に暮らし、いろいろな話をするようになり、しかし「聞いて欲しい」と「伝えて欲しい」の段差、自分が記録しなければ消えてしまうであろう記憶と、もしかしたら当事者にとっては消したい記憶なのかもしれないということと。

 いろいろ悩みながら、それでも水俣に関わり続ける。著者も研究のために外から水俣に訪れる研究者だが、「なぜ?」と問われても、もう水俣という地に呼ばれたとしかいいようがない、と言う。そして呼ばれた地、水俣での出会いから進展する事もいろいろある。

「だから」ではなく「それから」で繋いでいける流れがある。その流れの先に未来もある。

 くわしくは、『世界』6月号を読んでみてください。

 

 高遠菜穂子氏や中村哲医師も、ふとしたきっかけからイラクアフガニスタンと縁ができ、そこから支援活動が始まったんでしょうね。その地に呼ばれるというのはあるよ。自分に縁がないからといって「なんで?」とかぶしつけに言うのはやめましょうね。

 イラクアフガニスタンでの人道支援活動は続いています。

twitter.com

www.peshawar-pms.com