外山「政府転覆」メモ

JANJAN - “早稲田”で警察から学生救出した外山候補

 2005年12月20日、早稲田大学キャンパスでビラをまいていた男性が、建造物侵入容疑で逮捕・拘留されました。男性がまいていたビラは、01年に学生会館が移転する際、反対運動をしていた大学OBら3人を構内立ち入り禁止とした処分の撤回などを求める内容でした。男性は牛込署に9日間拘留されたのち、「事案が軽微」だとして釈放されました。

 このビラまき逮捕などに抗議し、4月1日(日)午後6時30分より、パフスペース(東京都新宿区)で、早大サークル有志らの主催による、シンポジウム「地獄の早稲田にWELCOME!」が開催されました。発言者は、文芸批評家、劇作家、大学教員、映画監督の4名です。

 学生会館移転反対運動で学内立ち入り禁止となった男性が、ビラまき逮捕の経緯について説明したあと、ビデオ上映がありました。当日は入学式だったので、法学部の学生が学校の近くで新入生などに、ビラまき逮捕などに対する抗議の訴えをしようとしていたそうです。学校当局に止められ、訴えはできなかったそうですが、ビデオはそのときの様子を撮影したものでした。

 法学部の学生を早稲田大学の腕章をつけた男性数名が取り囲み、この場を立ち去るように説得している様子を伝える映像が流れたあと、男性数名が学生を抱えて強制的に横断歩道を渡り、警察官のいるところに運んで行く映像が流れました。

 警察官が学生に対し、道路交通法違反であるとして戸山署に連れて行こうとしたとき、都知事候補の外山恒一さんが来て、学生らに腕章を渡し、「この学生らは外山恒一の選挙の応援演説をしているのであり、道路交通法違反にはあたらない」として、警察官に学生を解放するように求めました(選挙期間中、候補者は街頭演説をすることが許可されており、その応援をしている人が演説をすることも許可されている)。

 警察官の前で大学の職員と見られる若い男性が、警察官の質問に無言を貫いている学生に対し、「学生として真摯な態度を見せなさいよ」とか、「法学部の学生らしく、男だったらちゃんと言えよ」とか、「目がおかしい。(警察に)警告されましたよ。わかった? ハイは? わかんない?」としきりに挑発している姿は、これが教育に携わる人の態度だろうかと疑問を感じないではいられませんでした。外山さんが来て、学生が解放されたとき、ビデオを見ていた人たちから拍手が起こりました。

 外山さんは道行く人々に、「政府転覆の外山であります。ちょっとしたビラまきですぐ逮捕する。そういうことをやめてほしいということで急遽応援に駆けつけました。少数派の声を押しつぶすのはよくない。学生は学生運動をやるために大学に入るんでしょう。学生なんだから、学生運動をやらなければならない」とさすがに「政府転覆」を公約に掲げる人だけあって、学生に対しても学生運動をすることを呼びかけていました。

 どうやら、外山さんはたまたまこの辺を通りかかり、事情を知って、急遽、学生らを助けるために駆けつけたもののようでした。外山さんの演説に対し、携帯でメールを打ちながら通り過ぎる若者や、ビラを読む人など、反応も様々です。外山さんが、大学当局者に対し、「ビラぐらい自由に学生にまかせてやってください」と言うと、関係者の人たちは苦りきった表情をしていました。

 その外山さんの横で、学内立ち入り禁止になった男性が、学校関係者らを前に抗議の声をあげていました。学生を挑発していた男性が、「これが選挙応援なの?」と外山さんに聞いていました。その声が聞こえたのか、抗議の声を挙げていた男性が「ということで、都知事候補の外山さんと一緒に連携をとり、闘っていきたいと思います」とこれが選挙演説であることを強調した上で、最後に外山さんらと一緒に「新館規制は許さないぞー。文学部ビラまき逮捕許さないぞー。法学部転向教育は許さないぞー。都知事候補外山恒一と連帯して戦うぞー」と一際大きな声でシュプレヒコールをしていました。

http://www.janjan.jp/culture/0704/0704033056/1.php

記事の主題は市場原理が入り込み官僚統制が進む大学の現状。