路上生活者襲撃事件に村上龍を思う

東京の路上生活者襲撃で男逮捕/殺人未遂容疑、本人は否認 - 四国新聞社
本日の四国新聞の一面トップはこのニュースでした。
路上生活者は暴力にさらされやすく、襲撃される事件は前にもありましたが、大きくニュースで取り上げられた事件は、襲ったのが少年集団の場合が目立ち、凶悪な少年犯罪の例として注目される傾向が強かった記憶があります。
今回の容疑者は36歳の男性フリーター。逮捕された男は容疑を否認しているとのことで、まだ犯人と断定することはできませんが、単独犯による路上生活者連続殺人となると、村上龍が昔この手のはなしを書いていたなと思い出します。
どの作品、というのではなく、いろいろな作品の中で、この種の犯行につながる鬱屈を抱えた若い男がよく出てきた。
村上龍は、世間的にはマッチョだとかいうことになっているらしいんですが、私にとってはマッチョなだけではなく、むしろ女性的な感覚を濃厚に持っていて、その上で感じ取ったことを伝えるのがうまく、同時にスティーブン・キングのようなおはなしづくりもできる作家。社会を描く際にも、巫女的に感じ取ったことを小説という物語世界を通して描き出してきたと思います。
今はどんなの書いてるんだろうな。それより、昔の作品を読み返してみようかしらん。