丸亀アート散歩

丸亀でアートといえば、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館がまず頭に浮かびますが、今日は四国新聞で紹介されていたアートギャラリーを回りました。
まず、あーとらんどギャラリー丸亀市浜町4番地)、筆塚稔尚新作展。
「むらぎも」と題された作品がいくつか。心臓のような桃のような形の物体に、ガラスか鉄板の破片がブスブス突き刺さっていたり、あるいはその心型の塊からトゲトゲになって外に向かって突き出ていたり。それがむらぎも?
背景の色合いにあわせた色調でむらぎも柄の布地とでも呼びたいような絵になっていたりもしていたが、サンゴやフジツボを連想させる絵は私は苦手。むらぎもがどーんと単体で出ているほうが好き。で、むらぎもって一体?
「昨日の遊び」という、真っ黒にこげた燃えかすが残っているような絵がいちばん印象に残った。題と絵が共鳴しあっている。
筆塚稔尚のサイト(http://www.geocities.jp/fudezuka_fude/
あーとらんどギャラリーには他にもいろいろなものがあった。和紙で作られた犬の時計がすてき。絵や写真や工芸品なども。お土産に本島いろはかるたを買う。
次はgalleryARTE丸亀市浜町115-9)、田岡和也展。
白いキャンバスに明るい透明感のある色彩で描かれた街や人。キャンバスを回転させながら描いているので、上下縦横気にせず見られる。そういう描き方をしているせいなのか、全体に動きが感じられる絵になっている。描いた人が街を歩きながらいろいろなものを見ている気分が伝わってくるようだ。
そして最後、秋寅の館。丸亀通町に昔からある建物で、建物自体がいいかんじ。鉄を取り扱う商店だった所で、昔の看板や商品が飾られている。また、ヨーロッパの町並みを描いた油絵も展示中。ヨーロッパの石畳が赤味や青味を帯びて暗い夜中に光る景色、日本とはちがう石の文化特有の濃さ漂う異郷の街並みがかんじられる絵。
丸亀通町には、この秋寅の館の前をはじめところどころに子どもたちの描いた絵も飾られていた。初夏の花など、緑の光景。子どもの絵、アートなんていうこざかしい概念を完全に無視して爆発している、そんな絵。それはしかし、目に入る外界のものがこちらに容赦なく迫ってきた小さい子どもだったころの怖い記憶をも思い出させる絵なのだが。
でも、すてきだ。
帰りにミモカに寄ってブラマンジェを食べる。美味。コミュニティバスで帰途。