アザーズ

DVDで鑑賞。
出征した父親の帰りを待つ母子の住む屋敷に怪異現象が起こる。
1945年、英国チャネル諸島ジャージー島。静かな田舎に建つ古い屋敷に三人の男女がやってくるところからはじまる。新聞に家政婦と庭師を求める告知を出していた屋敷の女主人グレース(二コール・キッドマン)は、三人を信用できそうだと見て、雇うことにする。
グレースには二人の子供がいるが、光アレルギーで日光を浴びることが出来ない。そのため、子供に日光があたらないように、ひんぱんにカーテンを閉め、部屋のドアは開けたら必ず閉じるよう気を使っている。子供たちの状態に神経を尖らせながら、家庭内でいっしょに聖書を読んで勉強を教える日々を送っている。
雇った三人の仕事ぶりには満足していたが、グレースは自分が出したと思っていた告知を頼む手紙が新聞社に届いていないのを見つける。あの三人は新聞の告知を見てやってきたのではなかったのだ。
屋敷内では奇怪な現象が起こり、子供は幽霊を見たなどと言い出す。グレースは何者かが屋敷に侵入しているのではないかと脅え、子供を守ろうとするのだが。
二コール・キッドマンがすばらしい。神経過敏に見える面も多々あれど、子供のことを心配し、いい母親であろうと一人でがんばっている健気さが伝わってくるのだ。そして家政婦役のフィオヌラ・フラナガンが芝居を引き締める。フラナガンの顔だけど、日本の女優に似た顔の人いないかな。
舞台となったイギリスの島は霧が深いところのようで、広い敷地内にそびえる古い屋敷が霧の中に見える光景は、英国怪奇の美を絵に描いたようだ。
血はまったく流れないけれど、おはなしが進むにつれてじんわりと怖くなってくる。ホラー嫌いの人にもサスペンスとして楽しめる作品だと思う。