錦織健テノールコンサート

まるがめ文化芸術祭2008特別事業として錦織健のコンサートが丸亀市民会館でありました。出演は、歌:錦織健、ピアノ:多田聡子。
第一部は「さくらさくら」「からたちの花」「荒城の月」など日本の歌、第二部は「セビリアの理髪師」や「アルルの女」からの歌や「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」など西洋の歌。
錦織健の声は芯があって力強く、明るい光沢を感じさせ、聴いているだけでこちらも元気になってくるような感じがします。第二部のはじめではギターを抱えて歌いながら客席を回ってくれたりと大サービスぶり。ピアノもソロでショパンを聴かせてくれたりしました。
「荒城の月」ですが、子供のときは学校の授業で歌っても、歌詞の意味がよくわからないままだったりして、でも歌だから音だけなぞって曲に沿って歌うだけで気持ちがよかったりはしてたわけですが、大人になってくるとだんだん歌詞の描いている情景がじんわりわかってくるというのがありますね。だから、子供には歌詞の意味がわかりづらいから取り上げないなんてせこいこといわずに、歌なんだからとりあえず曲に合わせて歌わせるのもありだと思います。子供のころ意味も分からずとりあえず唱えたことのある文句だから、大人になってから「荒城の月」を聴いたときにその歌の世界が頭の中によみがえってくるというのがあるから。
錦織健の「荒城の月」はすばらしい。大好きです。
アンコールではクイーンの「ウイ・アー・ザ・チャンピオン」も歌ってくれました。フレディのことを思い出したりしましたが、そういえば「荒城の月」は、むかしスコーピオンズが来日公演をした際、ライブで演ったことがあるんですよね。ライブ盤をラジオで聴いたことがあるんですが、スコーピオンズは実に気持ちよさそうに「荒城の月」を歌っていて、またお客さんの手拍子が日本の宴会みたいな調子でいっしょになってて、乙な味わいのあるロックになっていました。
歌の合い間のおしゃべりもおもしろかったんですけど、錦織さんが調べたところによると、世界で最初にオペラが上演された年は、丸亀城が築城されはじめた年と重なるそうで、なんでも関が原の戦いより前になるんだそうです。丸亀城ってそんな大昔に築城されだしたのかとおどろきました。あのお城は石垣がきれいなんですが、そのころから石を切り出して運び出し積んでいたということでしょうか。丸亀城の石垣といえば、豆腐屋が拉致されて人柱にされてしまい、それから豆腐屋の幽霊が出るようになったという伝説を聞いたことがあります。幽霊目撃情報はまだ聞いたことがないですけど、昔のことですから、人柱はありそうな話ですよね。
テノールコンサートへ行って、丸亀城にも関心が湧いてきた、冬の一日でした。