フォーリーブス - 踊り子 (1976)


郷ひろみはデビュー曲「男の子女の子」から小学生だった自分もよく覚えているのだが、フォーリーブスは顔は覚えているけれど、どんな歌を歌っていたかまではすぐに思い出せなかった。
ジャニーズが話題になっているので、その流れでふとYouTubeで検索して聴いてみて、ちょっと唖然とした。
若い男の子を4人並べて、洋楽調のポップな楽曲に乗せてふりつけつきで歌わせているんだから、フォーリーブスも訴求対象を若い女の子とする男子アイドル路線だったんだろうけれども、それにしては、この「踊り子」の歌詞内容はなんなのだろう。
いい歌なんだけれども、これ、女の子向け男アイドルの歌なのか?
(それとも訴求対象は女の子ではなかった? まさかね……)
そしてすずろに思ったことは。
ジャニーとメリーは、安穏と小奇麗なふりをしている小市民社会に向かって中指突き立てる心意気があった人たちなんだろうなって。あらかじめ市民社会の主流から排除されたところに置かれた者にとっては、自分たちを疎外してきた社会の中に侵入してトップに上り詰めることが、社会への“反逆”になり得る。「優雅な生活こそ最高の復讐」に、なる。
フォーリーブスがこの歌を歌った頃から月日は流れ、世の中の風潮や彼らを取り巻く状況は変わった。でも、世間に中指突き出す心意気がまだメリーさんの胸中にはあるのかもしれない。そしてたぶん、彼女にとってはそれは十分正当なものなのだ。
こういう復讐の仕方もあるってことなのかもね。