うたづの町家とおひなさん

昨日は霧雨でしとしとした一日だったが、今日は雨は止み、くもり空だが午後は時々日も射して、春のおとずれを感じた。
昼食後、うたづの町家とおひなさんを見に行く。昔から続く町並み、格子を通して室内に飾られたひな人形が観られる。赤い布や金色の屏風などを背景にこちらを向いて並ぶ美しい衣装を纏った数々のお雛さま。春らしい、愛らしい華やかさ。
前に見に来たとき、もっとも心に残ったのは、一頭のうまのぬいぐるみだった。そこのお家には男の子しかいないらしく、飾られているのは男の子の節句のお人形、でもひなまつりだということで、姫だるまがカップルで登場。そして、それらのお人形を守らんとするかのように、前方に、いるんですね、うまのぬいぐるみが。小さい子どもを背に乗せて遊ばせてきた風格を感じさせる背中。今年も会えるかなと期待して行ったら、会えました。窓から覗き込むとちょうど目が合う。「君こそ、スターだ!」と心の中で叫びながらデジカメのシャッターを押しました。
というわけで、はてなダイアリーの今日の一枚には、彼の写真を上げておきます。
歩いて町家を観て回ると、お雛さまにもいろいろな種類があるのがわかります。古いのや新しいの、顔も童顔から大人びたものまで、立ち雛や、貝で作られたもの、うさぎ雛、松かさを使った雛人形など、ほんとうにいろいろ。布でできたちいさな飾りをつるしたり、木の枝に様々な模様の端切れをリボンのようにつけたり、押し絵や水彩画なども飾られていました。市松人形もいた。きれいな着物を着せてもらってうれしそうにみえました。あんぱんまんたちも雛になって参加してましたよ。
異彩を放っていた場所もありました。おひなさまをはじめ古い人形がいくつも並んでいて、コレクター魂を感じさせる展示になってるところがあったのですが、そこでは人形だけではなく、軍隊に関係する品々も飾られていたんですよね。軍服とか鉄兜とか旗とか。その中に、戦時中の児童向け雑誌の付録だったすごろくも貼り出してあったのです。ふりだしが出征で、上がりが漢口入城。ううむ。
いろいろおもしろいものを見た後、おみやげにいいだこのてんぷらと赤飯を買って帰宅。もうすぐ、春だね。