田中美絵子

民主党田中美絵子衆院議員がホラー映画へのヌード出演や風俗ライターだった経歴が明らかになった問題で、田中議員は15日、都内でホテルで報道陣の取材に応じ、「世間をお騒がせし、心からおわびします」と謝罪した。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090915/plc0909151913012-n1.htm

上の記事、"謝罪した" と結ばれているが、私はここで田中氏の「世間をお騒がせし、心からおわびします」ということばは、かような状況をとりあえず収拾しようとして発せられた紋切り型の台詞、もっといえば「お忙しい中足をお運びいただいて恐縮です」で置き換え可能なあいさつことばの一種だと思う。
映画へのヌード出演も風俗ライターも、別に違法なことをしてたわけでもなし、田中氏に謝罪する必要などないわけで、でもしかし、衆院議員となったことで注目を集めた余波として、こういう経歴が大きく週刊誌に取り上げられたりもすることになった。取材陣が騒いでいる。
こんなことで騒ぐ方がどうかしている、それはそうなんだけど、田中氏が何か答えないと取材陣は帰ってくれそうにないわけで、だから、田中氏は騒ぎを収めなければならない必要にせまられた。そして、騒ぎを収めるべく取材陣に答える、その答えを述べる導入として発せられたことばが「世間をお騒がせし、心からおわびします」なのだ。
その後に続いた彼女の説明を読めば、別に彼女は過去に映画出演やライターをしたことを謝罪などしてはいない。何故ならそれは謝罪する必要などないことだから。むしろ、厳しい経済状況の中で生き抜いてきた自分だから国会に届けられる声があるのだ、私が政治に関わることがプラスになりますよ、と堂々と語っているではないか。
はてなブックマークのコメントには、謝ったりしなくていいのに謝った! と書いている人もいるけれど、私はそうは思わなかったな。田中美絵子は胸を張って政界入りした、そう見えたよ。
この件、一部の週刊誌が大きく取り上げたわけだが、だからといって、別に騒ぎにはなってないよね。自分の周り見る限りは、騒いでいる人はいない。「週刊誌はあれだから嫌よね」と言ってる人はいたけれどね。
この田中氏の件については、一般人の多くの見解は、民主党の見解と一致してるんじゃないだろうか。
一部週刊誌が騒いだのも、ヌードや風俗は自動的にエロネタになって、オジサン読者の多い週刊誌にとってはエロネタはエロものであるだけで価値が発生する、だから大きく取り上げた、なんかもうそれだけでしょう。
いや、それだけじゃない、というのなら、それ下手したら、マスコミ業界人は小沢一郎より感度が鈍くて時代に取り残されている、そういうことになりかねないですけれども。
まあ、あれだ、「オレ様は大衆より頭がいい」という見地に立つ人からすれば、バカがつくる時代の風潮なんてものに乗る必要はない、ということになるのかもしれないし、別に時代遅れだから悪いと決まるものでもないから、まあ、あれだ、どうでもいいことなんだろうな。
マスコミ業界にも、女が生意気になって不愉快で仕方がない人はざらにいるんでしょうね。昔ならこういう過去を暴けば一発で消せたのに、今はそうならない、ああいやだこんな世の中、と思っている人は。昔はよかった、こんなことはなかったって。
そういえば、自民党の一部オヤジたちはついこの間まで「日本の伝統を守れ!」と絶叫し続けていましたが、どこかに逝ってしまったね。なんかせいせいした、という気分になってる人も巷には多いわけですが、マスコミ業界はどうなんでしょう。