チェンジリング

DVDで鑑賞。
行方不明になった子供が発見され母親の元に戻ってくるが、それは別人だった。
1928年のロサンゼルス。アンジェリーナ・ジョリー演じる母親は、一人で男の子を育てている。ある日、仕事から戻ると子供が家にいない。近所中探しても見つからず、警察に届け出る。しばらくして警察は息子さんが発見されましたと母親に連絡、よろこんで迎えに行った母親の前に現れたのは、自分の息子ではない男の子だった。これは私の子供ではないと母親は訴えるが警察は聞く耳を持たない。
ロサンゼルス警察の腐敗ぶりを日頃から市民に訴え、宗教的情熱をもって正義を取り戻そうと活動している教会関係者が彼女に救いの手を差し伸べる。
これまでアンジェリーナ・ジョリーは美人でタフでタラコ唇という印象が強かった。並みの男よりパワフルな女の役が似合うスターだ、みたいな。この映画では、平凡だが健気な女性が、母親として子供のために闘い続ける中で芯の強さをあらわす姿を迫真力を持って演じて見せている。すばらしい、うまい。そして、やっぱりタフなのだわ。
全体に陰影が濃い絵が続き、重厚な雰囲気が流れ、それが1928年という時代をよく感じさせるような気が見ていてした。たぶん自分が本で見たそのころ撮られた古い写真や、大昔の無声映画を見たときの記憶の断片が、この映画のやや暗い絵と重なるのだろう。でも陰影の濃い絵は、現代を舞台にした映画でも見られるんですけれどね。
それにしても、アメリカ映画は児童虐待や子供を襲う変質者の話が多いな。この傾向はもう何年も続いている。何故だ。