"宇宙人総理" の異言を翻訳する自称 "使徒" 佐藤優

昨日の日記(参照)で取り上げた佐藤優と「偏微分(笑)」・ネタふり編だが、今日読み返してみると、ネタふり編の側は、「偏微分」と「マルコフ連鎖」がギミックなのは承知の上で、あえてそこに焦点を当ててみようという主旨の記事だったのかと思われ、すると昨日日記書いてトラックバックしてしまったけど、とんだすべり記事になってるのかなと気がつく。
ただし、私はネタふり編を読んで、佐藤優への興味が湧きました。
ネタふり編で取り上げられていた資料2-3『世界』2010.3号と資料2-4『文藝春秋』三月特別号を読んだので、それについて書いておきます。
『世界』2010年3月号は、対談「小沢vs検察 “権力闘争”を越え、民主主義へ」という題が示すように、小沢vs検察が主題。佐藤優鳩山首相について触れているのはネタふり編で引用されている部分だけ、「鳩山という政治家の不思議な力を過小評価すべきでない。」というのが佐藤の意見。
文藝春秋2010年3月号は、佐藤優と手嶋龍一の対談「米政府が分析する鳩山数学論文 インテリジェンスなき鳩山政権が日米同盟を壊す」。
副題が示すように、この対談の主題は日米同盟の行方。佐藤優と手嶋龍一は、鳩山政権が対米関係で躓き、その結果、日米同盟に亀裂が入る恐れがあると危惧しており、そうならないためにはどうすればいいかが話題になっている。
何を考えているのかよくわからないので "宇宙人" と呼ばれたり、言っていることがブレまくると見られがちな鳩山由紀夫首相について、何故そう見えるのか、というところで、ネタふり編資料2-4で取り上げられた佐藤優による説明が出てくる。「偏微分関数による『マルコフ保全理論』のインテリジェンス」が理解できれば、鳩山総理は理解できる(私はもう理解できている)と佐藤は言う。
その後、手嶋が「はたして、何人の閣僚が鳩山さんの胸の内を十全に理解しているのでしょうか」と言い、それに対して佐藤優は「まだ不充分でしょうね」と答える。
鳩山総理自身が、自分の言葉を相手に理解させる努力をしていない。聖書の異言は翻訳できる者がいるところでしか説いてはいけないと、聖書に書かれているが、鳩山首相の言葉もいまのままでは聖書の異言みたいなものにしかなっていない。"宇宙人総理" の異言を分かりやすく説く使徒が必要だ。
そして、佐藤優は「もし私がスポークスマンなら、こう翻訳しますよ」と、鳩山首相の日米同盟についての考えを「翻訳」してしまう。
佐藤優訳の鳩山首相がどんなものか、興味のある人は『文藝春秋』2010年3月号を読んでみてください。
佐藤優の翻訳が適切かどうか判断できるのは "宇宙人" 鳩山由紀夫だけだ。ただ、この対談を読むと、佐藤優の日米同盟に関する考えならわかる。鳩山首相はともかく、佐藤優がブレない男だということだけは、よーくわかります。
週刊誌などで政治ネタを取り上げる時、「首相はこのように考えているのではないか」と推測してみせる人はよく出てくる。だから、佐藤優が同様のことをしてみせてもふしぎではないのだけれども、鳩山語を翻訳してみせるというのは掟破りの技なのではないだろうか。
佐藤優は『週刊金曜日』でも、故人と対話する形態で、その故人の思想を解説するということをやっているんだけれど、あの場合は取り上げられた人物の本を読んでみるということが出来るからね。佐藤の記事見て本を読んでみようかとなる人もいるだろうし、だからああいうのもありかなと思ってしまうんだけど。幸福の科学の教祖のイタコ芸にくらべるとおとなしめに見えるし。
でも、鳩山首相は今現在考えてる最中の人なわけで、そういう人物の考えを勝手に「翻訳」して伝えるのってどーよ? そう私は思いました。やりすぎなんじゃないのか。反則なんじゃないのかって。