在特会についてのルポ

asahi.comの「マイタウン愛知」に、三回にわたって掲載されている。
ルポ 新「保守」
http://mytown.asahi.com/aichi/news.php?k_id=24000001003150010
http://mytown.asahi.com/aichi/news.php?k_id=24000001003160005
http://mytown.asahi.com/aichi/news.php?k_id=24000001003170004
ネット上の動画サイトを活用し、ヘイトスピーチを「一種のエンターテインメント」だといい、街頭活動を「祭り」と呼ぶ在特会。これまで政治に特に関心を持っていなかった市民まで引きつけはじめた新「保守」の実態を報告している。
在特会桜井誠が、朝日新聞から取材を受けたことについてブログで書いていた。
http://ameblo.jp/doronpa01/entry-10482985067.html
ブログを読む限りでは、いまのところ在特会はどんな形であれマスメディアに露出することが自分たちを宣伝することになると考えているようだ。
ネット上で見た元気いっぱいに差別発言を繰り返す姿や、朝日の記事に出てくる「嫌韓流」の本を読んだことがきっかけで在特会に参加するに至った会社員の例などを見ていると、ふと人権擁護法案というのを思い出してしまった。
もともとは人種・民族差別など人権侵害を防ごうという主旨ではじまった法案だったが、やがてこれは表現の規制につながると批判の声が上がり、廃案になった。
ジャーナリストなどメディア関係者が法案の問題点を訴えていたのを記憶している。
しかし、人権擁護法案が話題になっていた当時も、ネット上では部落差別や朝鮮人差別の書き込みはされていた。そういう人権侵害につながる表現を止めさせて欲しいと訴える人たちが出てくるのも自然だと思えるほどになされていたのだった。
そして現在、ネット上では在特会らのヘイトスピーチを動画で見ることができる。
表現の自由は大切、守られなければならない、これには私も同意する。
でも、だからといって、ヘイトスピーチが野放しの現状がいいとも思えない。
言論には言論で対抗するというのが正論になるのだろうけれども、両者の勢力が互角の場合はともかく、そうでない場合はまず両者の力関係、置かれている立場の違い等に配慮する必要が出てくるだろう。
ヘイトスピーチ」というのがどういうものなのか、それがどのような害をもたらすのか、マスメディアはまずそれを広く伝えて欲しいし、なんでもかんでも「表現の自由」でかたづけていいのかどうか、考える材料を与えてもらいたい。
それと、これはおまけになるんだけど、最近はてなで東京都青少年健全育成条例改正案について話題になっているあれね、反対派の人たちの反応が人権擁護法案反対派に見られた反応に似てるなあと思っちゃったよ。改正案について誤解したまま脊椎反応的に反対している人もいそうで、そのせいか話が噛み合わないまま転がっていってるみたいに見えるところとか。現行案、改正案を次のブログが紹介してくれてる。
http://d.hatena.ne.jp/chnpk/20100316/1268741408
現行案にある「当該図書類又は映画等」と同等の扱いをマンガやアニメやゲームにもしようという意図の改正なのではないのかな。東京都の条例だが、現在「当該図書類又は映画等」はどのように扱われているのだろう。東京都の住人ではないので、それがわからない。東京では不条理な出来事が起こっているのだろうか。