尖閣や竹島をめぐって

中国で広がる反日デモについてはニュースでも大きく取り上げられているけれども、〈2011年倫敦〉的な要素も考慮しなければならない、という指摘が。Living, Loving, Thinking より
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120917/1347861071
元気のいい中国や韓国の反応にくらべて、日本はおとなしいのだろうか?
週刊金曜日2012年9月14日号p28には、排外主義的主張を繰り返すグループが、東京の新大久保や池袋駅周辺など、韓国系や中国系の店の多い地区に出向いてデモ、差別的な罵声を浴びせる中で領土問題も口実に利用しようとしている様がレポートされていた。在特会など、ユージュアル・サスペクツな名が出ているが、相変わらず日本はヘイトスピーチには無頓着、つまり背後にはそんなの気にならない人が大勢いるということ。
そして、『文藝春秋』2012年10月号は、「反日包囲網を打ち破る日米韓31人の提言」という副題付きで『韓国、中国「領土問題」の深層』という特集を組んでいる。31人も出ているが全体に右寄りな印象、黒幕の存在を疑えなどと陰謀脳発動を煽るかのような意見も載っている。
この件に関しては、私も右寄りな考えの持ち主になるだろうが、WiLLや正論ならともかく、文藝春秋で“売国奴”なんていう単語が小見出しに出ていたり、これまで政治的なことを語る係ではなかったような方まで右いけいけなコメントを寄せているのを見ると、なんだかなあとは思うね。『諸君!』がもうないからだと言われればそれまでなんだけれども。街で集団で暴れてないだけで、日本もけっこう沸騰してるんじゃないだろうか。田舎のキオスクでも買える日本の保守本流教養娯楽雑誌文藝春秋』の誌面上なんですよ。
特集記事には他に「暴走する人民解放軍」「自衛官 尖閣に日の丸を掲げるの記」です。興味のある方は、どうぞ。http://gekkan.bunshun.jp/articles/-/446
『世界』2012年10月号は「日中国交回復40年 ―― 対立を越えるために」という特集で、河野洋平インタビューなど、いつもながらのリベラル志向。こまかい批判は出てくるのだろうが、こういう雑誌もないとねえと思わずにはいられない、が、売れてないでしょう、田舎のどこの本屋でも平積みになってる『文藝春秋』にくらべると。
http://www.iwanami.co.jp/sekai/
自民党総裁候補5人が、対中関係で毅然とした対応をとそろって演説で唱えているが、民主党政権の中国への対応のまずさが重なっているように私も見ているので、この保守化誘致の責任の一端は民主党政権にあるなくらいには思う。なんというか、あの酔っぱらいの漁船が突っ込んできたときの対応、中国政府との行き違いなど段取りの不手際、なんでああなったのか、その後報道も出たが広く知られないままになっているのは何故?