ブレイキング・ポイント

DVDで鑑賞。
無差別殺人犯に襲われたダイナーに居合わせた人たちの事件後の姿を描く。
静かな田舎町で無差別殺人が起きる。ダイナーに入ってきた男が店内に居た人を撃ち、自殺した。犯行現場に居合わせた人たちは大きなショックを受け、その後の日常生活にも影を落とすことになる。
父親を殺された少女は信仰にのめりこみ、そのときいっしょにいた少年は何も喋らなくなる。殺人犯と入れ違う形でダイナーを出た医師、ガンで先が長くないと考えていたが犯行現場で辛くも死を免れた男、孤独なシングルマザーなど、死を意識した一瞬の後、日常の見え方がちがってきてしまい、行動に変化が現れる。
事件が直接的な原因となっているのは、テーブルの下に隠れて助かった少女と少年だ。ダコタ・ファニングがあの年頃特有のいやーなかんじをうまく出してるなと途中までは思って観ていたのだけれども、終わりにはよくわかりもしないままいやーなかんじだなんて思ってしまった自分に嫌悪感を覚えました。グレイトだぞ、ダコタ・ファニング。友だち役の男の子も、いいぞ。
大人たちの場合は事件の衝撃で以前からあった傷が刺激されうずきだすようなことになるのだが、役者が皆うまいので観ていて自然に痛みが伝わってくる。ガイ・ピアースが演じた医師の心の波立ち方はちょっと極端に見えなくもないんだけど、フランス映画だったらめずらしくないキャラかな。ピアースがよかったです。フォレスト・ウティッカーはちゃんと唇舐めてました。
事件後、郡から派遣されたカウンセラーが、現場に居合わせた人に、何か話したくなったらいつでも来てくださいと言って回るのだけれども、この映画の登場人物は何故か最初はあまりよろこばない。でも、しばらくすると、聞き役としてのカウンセラーを必要とする人も出てくる。日本ではどうなっているのだろうか。この映画観た限りでは、いいシステムだと思ったよ。必要ない人は無理に会わなくてもいいわけだしね。