既得権益

四国新聞には橋下徹大阪市長の施政方針演説が取り上げられており、「既得権を破壊することが私に与えられた使命」と語ったと伝えられていた。
それを読んで思い出したのだが、かつて奥谷禮子がこんなことを言ってたのよね。

自民党は今回、国民に人気がある人物で、しかも国民に不評な政策を説明できる資質を備えた総裁を選ばなくてはならない状況に追い込まれている。政府は財政赤字を抱え、国民には増税と、今まで享受してきた年金・医療など社会保障の"既得権益"の返上をのんでもらわなくてはならないからだ。

奥谷禮子氏がポスト小泉に期待しているもの - 一人でお茶を

社会保障が「既得権益」になるわけですよ、小泉改革一派にとっては。
奥谷氏は、対面して話する分にはいいのだろうけれども、不特定多数に向けて話すのには向いてらっしゃらない方という印象があるので、上のような文章を真に受けても仕方がないのかもしれないですけれども、上の文章が新聞に掲載された当時、特に批判されたという記憶もない。
奥谷禮子など過去の人になったとさえ思っていたが、世の中は彼女が期待した方向に着実に動いているということなのだろうか。
橋下市長はいまのところ市役所の職員を「既得権益」享受者と想定して叩いている模様だが、市の監査役に警察OBを起用する案を出すなど、同じ公務員でも警察にはちがった目を向けているようだ。
橋下徹と連携しようとしているみんなの党の渡辺代表が、震災直後に被災地で救助活動をする自衛隊を褒め称え、しかし同時に公務員削減を訴えていたのだが、その時点で被災地の市町村役場の職員が、自らも被災しながら献身的に地域の人たちのために働いていたことは、新聞でも報道されていた。
維新の会やみんなの党にとって、警察や自衛隊というのはなんなのだろうか。そういえば石原東京都知事も警察OBを起用したことがなかったっけか。
大阪市長としての橋下については他県の者があれこれいうのはおかしいくらいに思うが、維新の会は国政選挙に向けて政治塾を開くなどして準備をはじめており、そうなると無関係ではいられなくなる。
これから十年、二十年くらいは試練の時になるだろうという半ばあきらめに似た気持ちがあるのだけれども、政治ニュースにも関心を持ち続けていきたいというのが一年をふりかえっての感想。
個人的にはうれしいことがあった年なのだけれども、それとは別に、新聞読んだりした後ではそうなってしまいます。