テレビ番組で突然、明かす

asahi.comより「教員独自に養成 大阪市・府立大統合で教育学部新設構想」

教育学部構想は、府立大と市立大の一体経営をダブル選の公約に掲げた大阪維新の会の松井知事が、2日のテレビ番組で突然、明かした。橋下市長も就任前の13日、「教員養成が目的。この点で僕と知事は一致している」と話した。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201112240050.html

この、いきなりテレビで言ってしまって、観てる人に受ければ追い風になるだろう戦法、橋下一派は得意みたいですね。
橋下に関しては、テレビニュースで流すとそれがそのまま橋下のプロモーションになってる傾向が強い。テレビタレント出身というのはこういう強さがある。ツイッターという、顔写真のアイコン付きで短い発言だけを発信するメディアも橋下徹には向いたツールだ。彼に好感情をもっている人には、多少の暴言は愛嬌というオブラートで包んで飲み込めるのだろう。
『世界』2011年11月号の大内裕和『橋下「独裁」は何を奪うか』は、大阪府教育基本条例・職員基本条例批判と副題がつけられており、主に教育基本条例に的を絞って問題点を指摘しているのだが、この大阪府基本条例案民主党の教育政策と軌を一にするものだという。

教育委員会から自治体の長に教育行政の権限を移す政策は、民主党がこれまで提案してきた教育政策と同一である。2006年、与党自民党公明党連立政権の教育基本法改定案に対して、民主党が提出した「日本国教育基本法案」には、第18条第2項に「地方公共団体が行う教育行政は、その施策に民意を反映させるものとし、その長が行わなければならない」と首長の権限が明記されていた。
そして2009年の衆議院選挙のマニフェストでは、「現行の教育委員会制度は抜本的に見直し、自治体の長が責任をもって教育行政を行います」と書かれている。教育基本条例は、この点においては民主党の日本国教育基本法案や09年衆議院選挙のマニフェストと軌を一にしている。民主党のスローガンである「政治主導」を教育行政に持ち込むことの危険性が、ここに露呈しているといえるだろう。
(引用元:大内裕和『橋下「独裁」は何を奪うか』 岩波『世界』2011年11月号 http://www.iwanami.co.jp/sekai/

従来の自民党保守政権が行ってきた中央集権型文部行政とは異なるのね。それで、たぶん、リベラルな方々には国からの指導に反発したがる性向が強い人が多いだろうから、わりと民主党の案に好意的な見方をしていたんじゃないでしょうか。もちろん彼らにしてみれば選挙で橋下みたいな首長が選ばれるという事態は想定外だったんだろうけれども。
地方自治体に日常に関わる行政はまかせようという発想は、小沢一郎が『日本改造計画』で力説していたもので、なんでそうしたいのかというと自分はめんどくさいことしたくないからなんだろうなと私は思いましたが、一部の文化人には受けていたよね、あの本。栗本慎一郎とか、田中康夫も、小沢をえらい持ち上げていたな。めんどくさいことはしたくないよね、というところで文化人とは気があうんだろうな。
本の内容はともかくとして、有事に雲隠れする政治家は頼りにならないというのが今年ははっきりしたわけなんですが、いまだ小沢に期待する文化人がマスメディア上にはいるんだよね orz
橋下&松井はまだはじまったばかりで、とりあえずアドバルーンをあげて、様子みながら実行していこうということなのかもしれません。大阪人が二人をうまく活用できればいいんでしょうけれども、ここから先は他県の者がとやかくいうものではないでしょう。