橋下弁護士が大阪府知事選に立候補してから、週刊誌には「橋下弁護士はどんな人物なのか」という記事がいくつか出ていた。そこでテレビ番組で共演したことのある某ジャーナリストからの声が出ていたりするが、だいたい「テレビで受けを狙って過激なことを言ったりもしたことがあるけれど、ほんとうはいい人」のようなことを述べている。
テレビの共演者となると、仲間のようなものになってしまうのか、同じ人物がテレビ番組で政治家を評する際には人格をも否定するような批判を正義漢面で吠えるのにくらべると、激甘もいいところだ。
これまでにもタレント出身と呼ばれた知事はいたけれども、青島幸男、石原慎太郎、横山ノックというのは知事になる前に国会議員を経験していた。田中康夫のことはよくわからないが、そのまんま東はタレントを休業するような状態で何年間か地方自治の勉強をし、宮崎県知事になるために自分で準備をして選挙に出たのである。
それらにくらべると、立候補をするほんの数日前まで「出馬は2万パーセントない」などといい、立候補してからも「市長選でもよかったんだけどテレビのスケジュールの調整がつかなくてうんたら」などと悪びれもせずに語る橋下弁護士は、ジャーナリストやいわゆる識者など、テレビでコメンテーターをするような方々が衆愚の症例としてとりあげる、知名度だけで票を集める何も考えてないタレント候補のもっとも純化された例としか思えない。
しかし、橋下弁護士はテレビ出演者にとってお仲間であるので、テレビで橋下に対する批判が聞かれることは最後までないのではないかと思われる。
コメンテーターではなく、芸人だったそのまんま東についてなら、知事になった後までもテレビでコメンテーター同士が揶揄するような調子で話の肴にすることがあったが、コメンテーター出身の府知事候補・橋下弁護士のことはいじりにくいようだ。
こうなると、テレビではできないことは週刊誌やスポーツ新聞でやってもらう、ということにならないと救いがなさすぎるような気がする。
それにしてもコメンテーターというのもつまんない連中だね。二、三人くらいは橋下を批判するのが出てくればテレビももうちょっとおもしろくなるんじゃないのかな？プロレスでいいからやってみようか、とはならないのかな。
