村上龍「オールド・テロリスト」第十一回 文藝春秋2012年4月号

アキヅキとの対話から、歌舞伎町の3D映画が公開される映画館でテロが起きるのではないかと推測した関口は、アキノ君とカツラギと共に、人気アイドルグループ・AMAOUの3D映画を観に歌舞伎町へ行く。老若男女のファンで満員の映画館、AMAOUのどこがいいのかさっぱりわからない関口は映画がまったく楽しめないまま神経を尖らせていたが、やがて館内に異臭が漂い始めた。……
AMAOUは、AKB48をよりシステマティックにしたようなアイドルグループで、バーチャルゲームを楽しむように世代を超えて大勢の人がファンになっている。関口は、ファンになっている人もじつは仕掛けを承知した上であえて楽しんでいるようにしか見えず、こんなものに感動などしたくない、と思ってしまう自分を60年代をいまだにひきずった時代遅れのオヤジだなと認識しているのだが、そんな関口だからこそ、キニシスギオに見込まれてしまったのだろうか。偶然テロ現場に居合わせるのが三回続くと、さすがに警察にも疑われだすのでは、そんな心配が出てくる中、以下次号になってしまった。どうなるんだろう。
ところで、カツラギさんは、人を三項目の特徴づけで分類している
三項目とは、「植物・動物」、「元気・病人・死人」、「おじさん・普通・おばさん」
カツラギさんによれば、関口は「動物、病人、おじさん」、マツノ君は「植物、元気、普通」、池上商店街のテロ犯・滝沢幸夫は「植物、死人、おばさん」となるそうだ。
関口とマツノ君は、植物・動物と元気・病人・死人はなんとなくわかるけど、「おじさん・普通・おばさん」というのがよくわからない、という。
気になる人は本編を読んでみてください。カツラギさんが説明してくれています。