ノマドとかギルドとか

http://diamond.jp/articles/-/22028
上の記事読んで思ったんだけど、ノートパソコンが普及して、インターネットを通じて仕事のやりとりがしやすくなったころは、お勤めしている人たちに対して、出張先からでも仕事ができるとか、育児休暇で家にいても仕事ができるとか、そういう便利さが喧伝されていた。
ノマド」がカフェでも仕事ができる、というのは、それと同じことを言ってるだけで、どんなことをするのかはまた別の話だろう。
このところ「ノマド」は、一昔前のフリーランスに近い状態を指すようになってしまったようだが、あたかもなにか新しい働き方のように宣伝されている。
ギルドについては、『ルンルンを買っておうちに帰ろう』が大ヒットし、一躍時の人となったコピーライター時代の林真理子が、インタビューで「わたしたち、この業界をギルドって言ってるんですよね」と答えていたが、その言い方には自嘲の響きがあった。
当時、コピーライターというカタカナ語の職業が一般人にはまだめずらしく、それ自体がちょっとかっこいい仕事みたいに雑誌で紹介されることがあったのだが、そういうイメージと内実のずれを林真理子はごまかしてすましたりしなかった。
芸者みたいな仕事と、芸者を呼ぶ側になる立場での仕事は性格が異なるはずで、「ノマド」が都合がいいのは、売れっ子芸者になれるような人たちだけなのではなかろうか。

携帯だけを命綱にネットカフェを流れ歩く日雇いの方々は、たぶん究極の「ノマド」になる筈だが、いま「ノマド」というとき、そういう人たちのことはイメージされていない。