仏週刊誌銃撃事件のニュース

これを書いている時点ではまだ容疑者は逮捕されていません。したがって動機もはっきりしてないですね。容疑者はイスラム過激派とつながりがあるということで、週刊誌のマンガに腹を立てたのではといわれていますが、こういうニュースは関係ないのでしょうか? AFPより。
フランス、対イスラム国作戦でペルシャ湾に空母派遣か http://www.afpbb.com/articles/-/3035824
犯人の動機は、犯人が逮捕された後でないとわからないので、想像しても無駄ですね。
日本のテレビや新聞でも大きく取り上げられている今回の事件、ニュースを見て自分が思い出したことを書きます。思いつくまま、だらだらと。
襲撃された風刺週刊紙シャルリー・エブドですが、風刺マンガが売り物で、ジャーナリズムというよりはサブカルだったのでは。だからこそ、あれほど大勢の人が事件にショックを受け、まるで自分が攻撃されたかのように胸を痛めた様子を見せているのではないか。ネット上でマンガを見る限りは毒のある芸風ですから、フランス人でも好き嫌いは分かれそうなのですが、そういう面も含めて、ひょっとしたら映画監督になる前の毒ガス芸人として人気が出た頃のビートたけしみたいな愛され方をしていたのかもしれないなあ、と。
ビートたけしは襲撃されるどころか、自分の愛人をすっぱ抜いた写真週刊誌の編集部を傘と消火器を持ち子分を引き継入れて襲撃する事件を起こしました。あのとき、多くの男性文化人はたけしに味方し*1、有名人の私生活を暴こうとする週刊誌は下品といい、田辺聖子林真理子は事件とビートたけしに対してなぜか甘い風潮への違和をエッセイで書いていたけれどもそれはめずらしい例として記憶されるほどでした。
それまでならビートたけしのように大衆、とくに若い子中心に人気が出た芸能人に対しては、当の芸能人とそのファンを合わせて観察対象とし、批評的な感想をおもしろく言ったり書いたりするのがお仕事だった筈の文化人の多くが、ビートたけしに対しては“本音をいう”ところがよいと持ち上げ、なぜかしら甘かったのですよ。そしてたけしの後に続くように、自分たちもぐだぐだになっていきました。ビートたけしは芸能人としてテレビ出演時にはその場に配慮してふるまえる人だったし、それこそ常識人でもありましたので、その後のインタビューでは自分のことを誤解している文化人に対しての困惑を述べたりもしていましたが、やがて文化人的にふるまう局面が増えていきました。で、結果的に文化人全体が退嬰したように見えているのですが、どうでしょうか。
書いていてどんどんまとまりがなくなっていきますが、つまり、フランスでは大騒ぎになっているし、その背景には日本人にはわからないような事情があるだろうから、とりあえずそこだけを心にとめておけばいいのだろう、あとは続報待ちだな、フランスはだから進んでいる日本も見習わなければ、とか、そんなふうになるようなことでは全然ない、異国で起きた事件としてまずニュースを追えばよいだけよね。
http://www.huffingtonpost.jp/anne-sinclair/charlie-hebdo_b_6434200.html
上の記事を読んで、80年代の全共闘世代の文化人の一部を思い出したりした。
彼らは、いま何をしているのだろうか。

*1:ロッキング・オン渋谷陽一も、たけしのやり方は納得がいく、編集部は襲撃されたらバリケード築いて戦えばいい、と書いていたな