御厨貴と鹿島茂が橋下現象について語る

前に「橋下徹について語らない文化人たち」という日記を書いちゃったんだけど、語ってくれてる記事が出ました。
毎日新聞より。特集ワイド:橋下現象を読む/上
http://mainichi.jp/feature/news/20120918dde012010016000c.html
読むと、メディア上で橋下を見ながらもやもやとわいてくる違和感がことばにされているようで、参考になります。自分でどう思っているのか気がつくための手引きになる、というか。
以下、一部引用。

御厨 彼は個別の政策に何の思い入れもなさそうだ。

鹿島 そう。「何をするか」ではなく「何かになること」が目的化している。府知事になってもすぐ飽きる。市長になれば今度は国政だ。たとえ首相になれても何をやるでもないでしょう。首相になれればそれで良い人だから。

http://mainichi.jp/feature/news/20120918dde012010016000c2.html

御厨 橋下さんの公務員や組合たたきに対しても、自分より得してきた人たちがいじめられているのは愉快、という感情が庶民の中にはあるのでしょう。

鹿島 民衆の極めて“健全”な考えを上手にすくっているわけですね。無駄な物に金を使ってけしからん、と。これ、床屋政談のレベルです。「お客さん、あたしゃあいつら、許せねえ」と。

http://mainichi.jp/feature/news/20120918dde012010016000c3.html

鹿島 歴史を振り返る限り、革命や維新でシステムが壊れて最も損をするのは貧しい民衆。これは万古不易の真理です。しかしそれに民衆が気付かない、というのもまた、普遍的真理です。よく「おきゅうを据える」といいますが、おきゅう1本ならともかく、システムが壊れたら全身ヤケドです。なぜか有権者は損する方に投票してしまう。小泉さんの時も村の郵便局がなくなるかもしれないのに投票した。

http://mainichi.jp/feature/news/20120918dde012010016000c4.html

とくに最後の、時として民衆は自傷行為の如き振る舞いをすることで時代を動かすという件ですが、これはもういいとかわるいとかいえない、人の世で起こる現象のひとつですね。
弱い者は、そうなったときに自分はどうするか、それを考えていくしかないのでしょう。
この特集ワイド、上、となってますから続きがありそうですね。楽しみです。