ジャーナリスト

AFPのこの記事を読んで
http://www.afpbb.com/articles/-/3026762
これまでであれば、ジャーナリストが潜入取材して内情暴露の証拠として出してくるような残虐場面の写真や動画を、自分からどんどんネット上で公開してしまうイスラム国に対してどう報道すればよいのか頭を悩ませる報道陣のまじめさが伝わってくる文章だと思った。
しかし、一方で、ジャーナリストのいい面だけを語っている気もしました。
不謹慎になるのを承知で感想を書くと、公開動画で処刑されたのがジャーナリストだったから、つまり自分たちの同業者で仲間の一人と思える人物だったから、ここまで被害者に同情したのかなあって。
ジャーナリストが取り上げて記事にしてくれたおかげで救われた人もいれば、そのせいで誤解や歪曲された印象が世間に広がって傷ついた人もいる。ジャーナリストという職業は功罪両面がある筈で、世の中にはジャーナリストに象徴されるような知性を経験からまったく信じられなくなっている人もいるでしょう。それくらいは想像できますよね。
そういう面も含めて今後どうすればいいか頭を悩ませているかというと、上の記事はそうではないように見えた。自分たちの特権性が脅かされるていることに悩んでいるのね。
悩まないよりはずっといいでしょう。
ところで、これまでなら隠したであろう部分までおおらかに露出していたといえば、ブッシュ政権以後のアメリカにはそれがありましたね。近いところでは、ビンラディンを殺害するのを中継で見ているオバマらの顔や、カダフィが殺害されたと知らされて「ワーオゥ!」と目を輝かせたヒラリー・クリントン、またフセイン絞首刑は動画で見られましたし、カダフィが血まみれで捕獲された場面もテレビや新聞で見られました。
イスラム国は、一部のイスラム過激派がアメリカンテイストにかぶれたせいで出来上がったのかもしれません。
とにかく日本人としては、湯川遥菜さんの無事を祈るばかりです。