9.11から14年

21世紀になってから15年でもいいですけれども。
図書館でイスラム過激派についての本を読んだら、イスラム過激派によるテロが増えたのは21世紀になってから、もっといえば9.11を受けてアメリカがアフガン攻撃をし、その後イラクを攻撃してフセイン政権を打倒してからとあってね。
ペンタゴン潰されたアメリカ人は当時怒り狂って、アフガン攻撃は大勢が支持してましたが、さすがにその後のイラク攻撃は「何故?」という声が上がり、アメリカでも反対デモが繰り広げられたのは記憶に新しい。しかし、ブッシュ政権フセイン打倒を敢行、そこから現在の中東情勢が始まったと見ていい。ISISカリフのバグダディも、イラクアメリカ運営の刑務所内で出所後の計画を立てたそうですから。
ISISに処刑されたヨルダン軍パイロットは26歳だったそうで、たぶんあの動画に映っていたISIS戦士も同じくらいの年齢でしょう。彼らは9.11が起きた時、まだ小学生くらいだったのかなあ。ツインタワー崩壊の映像をテレビで観ているとは思いますが、私が小さい時あさま山荘をテレビで観た時と同じように、当時は何が起きているのかよくわかっていなかったかもしれませんね。
9.11のときは、ツインタワーに旅客機が突っ込み、その後崩落していく様子がニュース映像として流れ、「まるで映画を観ているようだ」という感想が、日本でテレビでだけ観ていた人々の大勢に共有され、言論人も、まるで映画のように観えたことを踏まえて、事件についてああだこうだと文章を書いていたのを思い出します。
いま、ISISが普及したインターネットを利用して、さかんに宣伝活動しています。PVと見なしてよい動画や、SNSによる勧誘など。それはほとんど、20世紀後半にロックなど若者向けサブカルチャーの分野でスターになっていった人たちがやっていた手法と同じ、若い世代を意識してマスメディア上で自分を誇大に見せ大勢への影響力を獲得することで、社会の中での地位を得る、あのやり方ですね。SNSで人の輪を広げようというのは、左翼系の市民運動をしている人もよくやっている。
20世紀の先進国サブカルチャーが老いた今、かつての夢の名残を帯びているのはISISだけなのかもしれない。
ISISが長続きしなくても、イスラム過激派は各地で点在し続けるのかな。たぶん、それが21世紀。