川崎の事件で監視強化を叫んでいる人は、『世界』6月号を読んでみてください。

 

世界 2019年 06 月号 [雑誌]

世界 2019年 06 月号 [雑誌]

 

 

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すでに至る所に監視カメラが設置され、キャッシュレス化は人々の消費動向までデータ化していく。山本龍彦「"C"の誘惑」は、デジタルプラットフォームで全国民を管理するCという架空の国をディストピアとして描きつつ、管理されているのはたしかだが安全が保たれるという点では抗いがたい魅力がある、と指摘している。大勢の一般人は革命の可能性が消えても日常の安全性を選ぶかもしれない、と。しかし、その選択は、不可逆なものであり、それだけに安易に選んではならないのではないか、と語る。

 

話がずれますが、中高年の犯罪実話マニアには、バスと無差別殺人が並ぶと、新宿西口バス放火事件を思い出す方もいるのではないでしょうか。1980年の事件です。

 

事件関連の報道が続いていますが、犯人はいわゆるひきこもりで、部屋にはテレビとゲーム器があり、パソコンも携帯も持っていなかったそうで、そういう人もいるんだな、いてもいいよな、と、ふと思いました。それと、ひきこもりがいけないんだ、みたいに言われだしていますし、まあほめるようなことではないんだろうけど、犯人の男がずーっとひきこもっていれば今回のような事件は起きず、人も死んでないんだよな、というのもあってね。

なにがきっかけで表に出てきたのか、もう犯人が死んでしまったので不可知となりました。ひきこもっていたので監視の網につかまらずに済んだまま逝ってしまった感がある。