また右斜め後ろ向きの感想が……

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馬に乗ったルーズベルトの脇に、歩行する従者のように黒人と先住民が立っている像を見て、アメリカ合衆国は独立した植民地だったんだなあという言わずもがなのことを改めて認識した。

この像は批判されているけれども、主役のルーズベルトと共に黒人先住民を置くことで、アメリカ合衆国は白人・黒人・先住民を国民として内包している国で、作った人としてはどの人も合衆国の構成員と見なして、人種や出自に関わらず幸福になれる国としての理想を表したのではないでしょうか。(ここにアジア人とラティーノが加わると、五族協和になるんでしょうかね……)

植民地の宗主国となったヨーロッパだと、植民地の原住民やプランテーションで働かされている奴隷は植民地という外部に属するものであって、本国とは直接関係ないので自分たちの枠内には含めなかったんじゃない? 像立てても、主役の脇につくのは同じ白人の兵士だったりとか。植民地が独立してから、旧植民地出身の移民が元宗主国にやってきて今社会問題になるほど移民は増えてますけれど、ヨーロッパの白人はその土地とつながった原住民なので、外から入ってきた人らに対しては場合によってはタリバン化してもそれはそれで自然な存在ではありますよね。

でも、理念先行型国家のアメリカ合衆国だとちょっと事情がちがってきて。輝かしい理念に現実が追い付いてないので不満や批判が出るんでしょうが、これまでは輝かしい理念を背負ってるんだぜオレたちは! で、ポリコレ棒振り回して自分たちより遅れているとみなした国を殴りまくってきたのがアメリカ合衆国でもあるんで、BLMがーと言われてもポリコレ叩きされたことのある国は「ふーん……」みたいなかんじになりますね。人が死んだりしているので切実な問題なんだろうなというのは分かるんですが。ただ、アメリカのポリコレ棒で救われた人たちも世界にはいる。

BLMはまずアメリカの国内問題でしょう、でも、デモ隊に国父と呼ばれるような人物の像が引き倒されたり、星条旗が焼かれたりしているのをニュース映像で盛んに見せられると、もう香港やウイグルの人はアメリカ頼れそうにないな、それいったら台湾や韓国や日本もそうかもしれない、中国は相変わらず尖閣諸島周辺にどんどん来てるけど、そんな気分もしてくるのです。

ソ連崩壊時と異なるのは、現在の中国が、文化大革命やっても、いわゆる民主主義なんてなくても、経済発展は可能ですよ、というのを体現する超大国として存在していることなので、アメリカがここで傾き出すと、アメリカがふりまわしてきた理念も色あせていきかねない。

 

じつはアメリカのオーラが失せたのは9.11が大きいんだけど、ブッシュの後、オバマが大統領になることで、初の黒人大統領! アメリカ、自由と平等! という、夢をとりつくろうことができた。言い方は悪いがそれでなにかをごまかしてだましだましオバマの8年はひっぱってた、そんな印象がある。トランプ大統領爆誕は、だからある意味ごまかしもうやめようぜ的清々しさがあったのだが、ここへきて、またBLM、本来は切実な運動なのはわかるけど、政治的に利用されることでまた何かがごまかされようとしている印象があって、私などはどんなにブザマであろうとトランプにがんばってもらいたいと思ったりしているのです。(ニュースでアメリカ見てるだけの者の勝手な思いですよ、もちろんね、極私的感想ね)

 

BLM、発端が女性のツイートで、そこから輪が広がって、像は不快だから撤去、って、#MeTooとか、女性の共感ツイートが広がって献血ポスターに抗議するとか、あのノリですよね……(現地ではそれだけじゃないんだろうけど)

 

朝からニュースを見て、だらだら書いてしまいました。

 

付記:ソ連の崩壊で、共産主義社会主義が輝きを失いましたが、今回米国が傾くと資本主義が輝きを失うんでしょうか? 後に残るのはネオリベ国家社会主義とか?