『世界』2022年1月号 新連載と注目連載

 

口絵で新連載、阿部海太「民話採光」が始まりました! こういう絵を見るのは大好き! 本文始まりのページには絵に関するエッセイが載ってます。

 気象ニュースのくわしい解説が読める森さやか「いま、この惑星で起きていること」今回は、難民化するセイウチ、シベリアのゾンビファイアー、カナダに豪雨をもたらす空の大河の脅威など。

 北條勝貴「亡所考 草刈りからみえる忘却」では、おとぎ話の絵本で「おじいさんは 山へ芝刈りに」という絵をわたしたちはよく見ているのですが、そのためかえって昔行われていた、芝刈り、草刈り、に対してまちがったイメージを持っていること、それが現在の日本の地方の景観をつくってしまったのに、忘却されている草刈りを取り上げています。 

 「亡所考」の中に、フィールドワーカーが経験した「歌かけ」という遊びが出てくるんですが、「現在では奄美や中国西南、東南アジアの民族社会でしかみられない風習」なんだそうで、でもね、読んでいて、エミネム主演の映画「8 Mile」を思い出しましたよ。あの映画の中で、自動車工場の男女労働者がやってたのはアメリカン「歌かけ」になるのでは。

 クラリッサ・シングソン「ネグロスからの手紙」は、フィリピンの人権活動家が命を狙われている生々しい報告が続いています。 

 奥山俊宏、畑宗太郎「パンドラ文書を解読する(下)」は先月号からのつづき、海外に比べるとパンドラ文書リークへの反響が日本は鈍かったそうです。先月号と合わせて、この機会に『世界』で読んでみてくださいね。