阿部海太「民話採光 23 火と種と夜と」
炭焼きの夫婦は冬支度に忙しく、留守の小さな娘は両親が帰ってくるのをずっと待っている。娘は炉端で木の実を食べ、種を灰の中へ吹き出す。うとうとしたとき、ふと、炉縁の上を一寸くらいの侍、百姓、漁師の行列が歩いているのに気がついた。……
もとになったのは美濃・飛騨の民話「火なたに捨てられた木の実の種は化ける」、外は雪まじりの雨、炉端は暖色にぼやけているものの、行列する小人たちの衣装には鮮やかな色が見える。
特集は
1.大阪とデモクラシー
2.デジタルの壁
『世界』11月号を読んでみてね!