ネット上の書き込みが法案を呼び込んだのかも…

はてなダイアリー書いてる場合ではないんだけどね。新年度ももう始まってるし、早く部屋の片付けを済まさないとまずいのだが、古雑誌やムックが出てくるとついぱらぱらめくって読んだりしてしまう。
『「IT」の死角』(別冊宝島Real#008 2001年1月19日発行)というのが出てきた。今になって読み返すと、ややIT化にまつわる不安を煽り気味かなという印象があるけれど、見出しは煽り調子でも内容は淡々としていたりする記事が多く、全体には真面目風味。
法制度関係の記事もいくつかあり、その中の「司法現場が抱えるプライバシー保護のジレンマ 町村泰貴」では、個人情報保護基本法をとりあげているのだが、一部人権擁護法案にもつながってくる記述がある。
p96より引用

法務省の人権擁護推進審議会は、インターネットで名誉毀損やプライバシー侵害行為を受けた被害者を対象にして、新たな人権救済機関の設置を検討していると報じられている。通信の秘密の保護によって情報発信者の特定が困難なこと、プロバイダーの自主規制にも限界があるということから、新たな救済制度が必要だとしたようだ。この構想が実を結んだとしても、そもそも全く本名を出さない者による侵害行為に対抗するような救済制度を作るのは、かなり難しい。

ネット上には、以前から差別的な発言が出てたと言われればそれまでなんですよね。ただしそういうサイトはアングラ臭が強くて見るからにまともではなかった。だから、「悪趣味なのがいるな」ということで、影響があるとしても2ちゃんねるあたりで瞬間的に話の肴にされて終わりだった程度だと私などは思っていました。2ちゃんねる自体が悪場所だという面もありますが、カテゴリー数が多くて、パソコン関係の掲示板だと単にパソコンの話してるだけのスレッドばかりだったりするので、週刊誌が2ちゃんねる取り上げると何でいつもニュース板の一番汚い書き込みだけ紹介するんだろう、という不満を持ってたりするのですね。同時に悪場所的な面こそが2ちゃんねるの特徴と存在理由なんだろうなとも思って、2ちゃんねる自体を汚いからダメと斬ることはできないのが自分の気持ちだったりするんですが、まあ、あそこにも、同和や外国人に対する差別的放言はスレッドによっては書き込まれている。それは単なる事実ですね。
それで、そういう書き込みですが、放置しておけない、由々しき問題だと受け止める人もいて当然なんだろうと。
2ちゃんねるに、そんな大それた影響力があるとは思えないのですが、差別的発言がおもしろがられて容認されているスレッドばかり見ていると、みんなしているんだから差別しても問題ないよねという気分になるかもしれない。書き込みが多い2ちゃんねるは、どんな意見に対しても適度にツッコミが入りますのであまり心配いらないのではと思うのですが、その場の空気に合わせるとか、「みんな」がやっているから自分も、というの、ネット上でもよく起こりますから。