年金運用 1.6兆円赤字

四国新聞より。

年金運用1.6兆円赤字 サブプライム問題影響 7−9月期
国民年金と厚生年金の積立金を市場で運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」は5日、今年7−9月期の運用状況について、手数料などを差し引く前の収益である「総合収益額」が1兆6,328億円の赤字だったと発表した。米サブプライム住宅ローン問題を受けた株価下落や円高ドル安などが影響した。四半期ごとに公表している運用状況が赤字となったのは、昨年4−6月期以来。
同法人の野島康一審議役は「サブプライムローン証券化した金融商品保有しておらず、影響はあくまで間接的なもの。今後の収益予想は難しいが、市場環境は現在も厳しい。ただ、運用状況は長期的に判断する必要がある」と話している。
利回りを示す「修正総合収益率」は、今年4−6月期はプラス2.75%だったが、7−9月期はマイナス1.80%に下落。半年間を通じた収益は、前期の黒字2兆3,752億円の大半を今回の赤字で食いつぶす形となり、7,424億円の黒字となった。
同法人が保有している市場運用資産(時価ベース)は、9月末で91兆2,787億円。構成比は国内債券54.39%、国内株式19.97%、外国株式14.88%、外国債券10.46% など。
サブプライム問題をめぐっては、国内の銀行、保険、証券などで関連した損失が08年3月末までに合計で約6,260億円に膨らむ見通しとなっている。
(引用元:四国新聞2007年12月6日)

新聞には第二面右上に大きな記事で出ていましたが、ウェブ版には出てないみたいだし、テレビでもあまり出ないみたいなので、メモということで。
運用していれば赤字になることもあるでしょうし、だから「収益予想は難しい」「運用状況は長期的に判断する必要がある」はまったくもって単なる正論でしかないでしょうね。ただ、あれだ、「長期的に判断する必要がある」のは「年金の運用状況」に限ったことではございません。ほかにも同様に判断する必要がある物事は多々あるわけですが、それがなかなか認めてもらえなくなってきてるのが今現在の日本なのでございます。
ところで、その年金運用に影響を与えたというサブプライム問題ですが、それに関連したニュースとしてこんなのが出てました。

証券大手の責任を調査/サブプライムでNY検察
2007/12/06 00:54
 【ニューヨーク5日共同】サブプライム住宅ローン問題に関連して、ニューヨーク州の検察当局が、同ローンを組み込んだ金融商品を投資家に販売したメリルリンチなど大手証券会社の責任について調査に乗り出したことが5日分かった。米紙ウォールストリート・ジャーナルが報じた。

 同ローン問題の影響で世界の金融機関は巨額の損失を計上している。関係者によると、検察当局は、同ローン関連の金融商品を投資家に販売する際、証券会社などが商品の内容を十分に精査していたかを調べている。

 20以上の案件について具体的に調査しており、メリルリンチベアー・スターンズの米証券大手のほか、ドイツ銀行にも情報収集のための召喚状を送ったことが分かった。3社は同紙に対し、調査の対象となっているかどうかを明らかにしなかったが、メリルは「当局から要請があれば常に協力している」と話した。

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