「橋下知事いじめるな」 直言職員に抗議メール1千通
2008年03月19日06時10分大阪府の橋下徹知事に批判的な発言をすると、抗議が殺到する状況になっている。朝礼で橋下知事に直接意見を言った職員には、18日までに1000通を超える抗議のメールが府に届き、府議会での野党議員の発言にもクレームが相次いだ。
http://www.asahi.com/politics/update/0318/OSK200803180103.html
このニュースを読んで過去の出来事を思い出した。
イラクで高遠さんら三人が人質にとられ、家族がテレビ出演して政府に救援を訴えたとき、彼らの態度が不愉快だという非難のメールが殺到したと伝えられたことがある。
その後、サイゾーで読んだのだが、そのとき家族の元に届いたメールやファックスには、家族に同情を寄せるものや応援する内容のものも少なからずあったそうだ。しかし、それはあまり取り上げられず、市民から非難相次ぐという形の報道ばかりされたのだという。
次に、北朝鮮拉致被害者家族が、当時首相だった小泉が再度訪朝した後に、小泉首相から直接報告を受ける場面がテレビで流されたことがある。
そのときは、残念ながら家族の期待していたような成果はなかったため、家族が首相にきついことばを浴びせる一幕があった。テレビではそこだけが流され、家族に小泉首相が糾弾されているかのような印象を見る者に与えた。
このときも、まず家族が首相をねぎらうことばをかけるところから会見がはじまっていたりして、終始家族が首相に対して憤懣をぶつけたわけではなかったそうだが、テレビを観た人からはあの家族の態度はひどいじゃないかというメールやファックスが送られることになってしまった。
ちなみに、あの家族との会見の場にテレビカメラを入れようと言い出したのは小泉首相側だったという。
今回の「橋下知事いじめるな」メールの件だが、18日までに1000通を超えるメールというのが数として多いのかそうでもないのかすらよくわからないし、これだけで橋下知事が府民の多数から支持されているということにもならないだろう。
ただ、こういう報道が大きくなされると、橋下知事が府民から圧倒的に支持されているかのようなイメージがいつのまにかできあがってしまう恐れはある。
橋下は東国原や石原と並んでテレビの全国ニュースによく取り上げられる知事だが、なんで朝礼や商工会議所にテレビカメラがついていってるんだろう、と思ったりもするんだよね。
透明性が保てるともいえるのかもしれないけど、テレビではおもしろいところだけつまんで編集して流されちゃうからね。かえって変なかたちで伝わったりする弊害もあるんじゃないだろうか。