稲田朋美衆院議員

サンプロでも映画『靖国』上映中止を取り上げていたが、田原総一朗によれば騒ぎの発端になったともいえる稲田朋美衆院議員にも出演依頼したのだが応じてもらえなかったとのこと。
そして、今になって稲田議員が試写の要求はしていないと言い分けしているのをおかしいんじゃないかともいってた。

上映中止のきっかけと指摘される国会議員向け試写会が3月に開かれた経緯を問われると、「文化庁所管法人の助成金が支出されたことを週刊誌の報道で知り、『映画を見せてほしい』と文化庁に求めたが、『公開前に』とか『試写を開いて』などとは言ってない」と釈明。「試写会が開かれたのは、文化庁と配給会社の判断だ」と述べた。

四国新聞社

上のような弁明を繰り返しているのですね。
稲田議員は、まじめで正義感が強い人に見えるのだが、なぜか『正論』あたりに感化されて『つくる会』な方向へ思い込みが傾いているようで、いわゆる草の根右翼というか右派市民の中の優等生的存在になっているのかもしれない。
気になるのは稲田朋美議員は記者会見でも「反日的」という言葉をごく自然に発していることだ。
「映画『靖国』の試写は事前検閲ではない」稲田朋美議員の訴え - JANJAN
反日的」、これは朝日新聞社を襲撃した赤報隊が声明文の中で用いたもので、鈴木邦男によれば1987年の赤報隊テロ事件までは右翼もほとんど使わない言葉だったという。
『新聞社襲撃 テロリズムと対峙した15年』朝日新聞社116号事件取材班(編) 岩波書店 - 一人でお茶を
赤報隊テロ事件
公の場で稲田議員の口からすらりと「反日的」という言葉が出てきてしまうのを見ていると、やはり世の中の右傾化は進んでいるのかと思ってしまう。
右傾化という形容はふさわしくないのかもしれないが、20年前ならテロリストしか使わなかったような言葉が市民社会でも普通に使われるようになってしまっているのはたしかだろう。
そして、「反日的」という表現がまかりとおる現在の日本での中国系、朝鮮系の人たちは、かつてのワイマール共和国のユダヤ系の人々に近い位置づけになっているのかもしれない。