何が始まろうとしているんだ?

この毎日新聞の社説なんだが。
社説:犯罪白書 「規範意識」が低下した - 毎日新聞
一瞬産経の社説かと勘違いしたくらいだ。
最近は治安が悪化した、防犯に力を入れねばならん、親はもっと子供を厳しく躾けないといけない。
よくある文章で、またか、ですませたくなる。しかし、この文章、こう結ばれているのです。

警察は学校と連携し一部で防犯教室を実施しているが、さらに積極的な展開が必要ではないか。

さらに積極的な展開とはどういうことなのか。警察と学校の連携をさらに強化する。加えて、学校だけでなく地域全体と警察の連携を強化し、自警団のような民間の防犯活動を盛んにしたい。そういうことなのだろうか。監視カメラの数をもっと増やす、そういうのも有りか。
この治安悪化説に対しては、一部マスコミが煽るように犯罪が増加しているわけではないとの反論が既に何度も出されているし、上の社説は昭和は検挙率が高かったというけれど、後年冤罪だったことがわかる例もあり、昔の取り調べ方法や科学捜査の水準を考えるとまだ埋もれている冤罪もあるのではないかと私は疑っている。
それから、敗戦直後の混乱期ほど「規範意識」が低下した時期はないだろうし、その一時期を例外としても、学生運動が盛んだった時期に大学で暴れていた方々の武勇伝などを聞くと、50〜70年代くらいは社会全般が今よりずっと荒っぽかったとしか思えないのだが、そうではないのだろうか。
経済・雇用情勢の悪化に伴ってひったくりや強盗が増えている、というのは、そうかもしれない。だけどそれなら、経済・雇用情勢を改善するのが事件を減らす道だろう。
市橋達也容疑者逮捕の例を「警察の力だけで検挙率を高め、治安を保つのが難しいことを象徴するできごと」としているけど、指名手配されてる犯人が民間人の通報で逮捕されるって昔からよくあるパターンなのではないのか。それとも、私が映画や二時間ドラマでよくある逮捕劇のパターンを記憶してて、それを現実と混同してるのかな。
なんでいまこんな社説が毎日新聞に出てるのか。それが気になりますね。何故?