藍川由美 和琴弾き語りコンサート

ユープラザうたづにて鑑賞。「平安の調べ『催馬楽(さいばら)』を歌う」という副題がついている。
和琴はくっきりと響くが、その音は金属的ではなく、木の質感を思わせるやさしさがある。和琴で永続的な響きを奏でつつ、そこに歌をのせる。日本語の音韻から自然にこぶしにつながり、言葉が音となり広がっていく。
民謡に使われる音階は、説明によれば、日本、朝鮮半島、モンゴル、中央アジア、トルコ、ハンガリーアイルランドスコットランドと共通しているそうで、昔各地に伝播したのであろうその音階が、アメリカ経由で唱歌教材という形で明治に日本にまた入ってきた。そのため、もとはスコットランドアイルランドの民謡であった『蛍の光』や『故郷の人々』は、『上を向いて歩こう』や『北国の春』と同じ伴奏を和琴でつけるとみんなでいっしょに歌えてしまう。コンサートでは客が藍川由美といっしょに歌ってみる場面もありました。
他にも、歌の合い間では音楽についてのおもしろい話をいろいろ聞かせてもらえました。
藍川由美の活動は、日本の音楽の良さを再確認し、そのよろこびを広く伝えようとしているため、一部の『正論』マニアみたいな人たちが寄ってくるかもしれません。音楽という芸術にこだわることで、そういう半端に政治的な邪さによごされることなく歌を聴かせていってもらいたいと強く願います。
和琴による弾き語り、聴いていて、ほんとに気持ちがよかった。