その土曜日、7時58分

DVDで鑑賞。
金に困った兄弟が、実家の宝石店を強盗しようと計画する。
仕事は忙しいが、妻との関係がうまくいかず、クスリに溺れるようになったアンディ・ハンソン(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、ブラジルのリオで妻と共に再出発できたらと望むが、それには資金がいる。一方、アンディの弟ハンク(イーサン・ホーク)は、離婚した妻が連れた娘への養育費も満足に送れない状況だった。
アンディは、金に困っているハンクを口説いて、両親の経営する宝石店に強盗に入らせることにする。店は保険に入っているから、被害が出ても父母が困ることはない、アンディはそうハンクに言う。
ハンクは、知り合いの強盗経験があるという男を仲間に引き入れる。ハンクは運転、その男が覆面をして店内に押し入り強盗。しかし、そのとき店内にいた母親は銃で反撃、母親と男共々銃弾に倒れる結果となる。
アンディの計画は失敗、兄弟二人は窮地に陥る。
アンディがリオでの再出発を夢想する場面から始まり、強盗決行日を基点として、時間が前後しながら、そのときそのときの各人の様子が描かれる。役者がみなうまく、登場人物の表情が人々が絡み合う流れを脈打たせる。父親と長男アンディの確執がドラマに重い影を落としていた。
救いがないラストに見えて、後味がさほど悪くないのはなぜなのか。単に最後画面が明るい光で包まれたから? 冒頭で紹介される原題の表す願いが成就されたように受け取れるからなのかな。
冒頭のフィリップ・シーモア・ホフマンと、マリサ・トメイのベッドシーンはエロく、R指定になっていたのはあの場面のせいなのだろうが、倦怠期の夫婦が旅行先で久しぶりに盛り上がってるという設定、ホフマンとトメイの演技のうまさも大きい。マリサ・トメイがセクシーなのは当然としても、ホフマンも魅力的に見えた。にこっと笑うとかわいらしいしね。太目でお腹もぽっこり出てるのだが、肉づきがいいからエロっぽいというの、男にもあるんだね。
淀川長治先生が、ふっくら体型の男優がお好きだったのをなぜか思い出しました。