また蒸し返すのかよ、と言われるかもしれないけれども、『世界』2011年11月号の神保太郎「メディア批評」でこの鉢呂発言をめぐる報道を取り上げて検証しており、出来事を時系列で整理してくれていたので、その部分を紹介したい。
9月8日から10日まで。
- 8日、鉢呂大臣、福島視察より帰京。議員宿舎前で記者団と懇談。(この際、「放射能」と言いながらを記者にすりつけるような動作をしたとされている)
- 9日
- 10日、鉢呂大臣、辞任を決意。記者会見。(記者は詰問調で鉢呂を責め立てた)
神保太郎の記事では、Ustreamで記者会見の様子をたしかめられるようになったので、9日の記者会見ではいたって静かだった記者が、10日の大臣辞任会見では一転して勢いよく鉢呂に迫っているのがわかり、政局にははしゃぐ一方で、福島の現状には無関心な記者の姿勢がよく見えるとしている。福島視察を終えた鉢呂が何を語ったのかが吟味されずに終わり、原発事故の現状を報道する機会が逃されたことを惜しんでいる。
くわしくは『世界』を読んでください。http://www.iwanami.co.jp/sekai/
自民党だが、世論調査で民主党の支持率が下がっているという結果が出ても、だからといって自民党の支持率が上がったりはしない状態が続いているのだが、上に出ている大島副総裁のようなことしかしていないのでは、それもしかたがないだろう。谷垣総裁の発信力が弱いからだという人もいるけれども、谷垣もそういう声があるのを気にしているのか、発信するようになっている。そして、これは私個人の感想だが、谷垣もへんなことを言うようになったなあ、という印象が強まっている。石原のぶてるのような悪目立ちするのがいるせいで、相対的には落ち着いて見えるのだが、しばらくは野党でいるしかないのではないかと思う、残念な自民党の現在だ。