中島梓『ガン病棟のピーターラビット』(ポプラ文庫)のあとがきにまちがいが

買ったばかりでまだ読んでないのだが、あとがきをざっと見たらまちがいが目についた。
トルーマン・カポーティの『冷血』に描かれた殺人事件を、リチャード・スペックの犯した大量殺人と混同している。
「殺人博物館」より、『冷血』でカポーティに取材されたペリー・スミスとリチャード・ヒコック
http://www5b.biglobe.ne.jp/~madison/murder/text2/smith_hickock.html
看護師を八人殺したリチャード・スペック
http://www5b.biglobe.ne.jp/madison/murder/text2/speck.html
中島梓栗本薫)だが、伊集院大介が出てくるミステリィの中でもアメリカの連続殺人犯について事件を取り違えて書いていたことがあり、そういうところだけよく覚えている私からすると、中島(栗本)先生はあまり熱心な実録犯罪マニアではないんだなということになるのだけれども、『ガン病棟ピーターラビット』のあとがきでのまちがいは「?」だ。『冷血』というのはカポーティの代表作として日本でも認知されていて、ずっと文庫版の翻訳が出ているのに、編集者も気がつかなかったのだろうか。
連続殺人の本を読み漁るほうが悪趣味といわれればそれまでだが、人が殺された事件なのだから、うかつに内容をまちがえるのもまた失礼だろう。
著者がもう亡くなっているのだが、なんとか訂正していただきたい箇所だ。

追記 2012-02-04

文庫本の本文中に「お詫びと訂正」と題して、あとがきの事件はカポーティ『冷血』のものではありませんでした、と記した紙が挟まれていました。