山口壯は外務副大臣から外されたが

森田実は「森田実の時代を斬るhttp://moritasouken.com/TEST03-2s.html」で、山口氏を評価していた。

 『毎日新聞』9月28日朝刊1面「日中漂流・上」に山口壯外務副大臣のことが出ています。引用します。
《外交官時代に中国大使館勤務経験もある山口壮副外相が8月末に北京を訪問し、載乗国国務委員(副首相級)に野田首相の親書を渡したが、国有化の合意が間近に迫っていることは知らされていなかった。帰国2日後に「国有化大筋合意」の報道が出たことで中国側の不信感は募った。
 尖閣国有化を主導したのは、首相官邸では野田首相藤村修官房長官長島昭久首相補佐官ら、外務省では玄葉光一郎外相らで、山口氏は主要メンバーから外れていた。
 国有化先送りも進言した山口氏は、国有化後の記者会見で「なぜもっと事前に説明を重ねなかったのか」と不満を口にした。》
 山口壯氏は、日本にとって非常に大切な政治家です。外交のできる数少ない政治家の一人です。
 民主党政権内で外交ができる政治家は山口壯外務副大臣だけだと私は思っています。

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 山口壯外務副大臣は、野田首相、玄葉外相、藤村官房長官らの外交無能トリオの妨害に屈することなく、アジアの平和、中国との平和共存のために外交的努力を粘り強く続けている。山口壯氏は頼もしい政治家である。
 山口壯外務副大臣の平和のための努力、日中友好関係を維持するための自己犠牲的努力は賞賛されるべきものだ。いまのところ、野田首相、玄葉外相の愚かさのために成功していないが、近い将来、必ず実を結ぶであろう。
 山口壯外務副大臣は、玄葉外相と外務省事務次官の卑劣きわまりない妨害に耐えながら、平和解決のために全力を挙げて努力した。成功しなかったとはいえ、山口壯外務副大臣の評価を大いに高めた。心ある日中両国の外交関係者の強い信頼を得た。山口壯氏への期待は高まってきている。
 野田首相や玄葉外相が、中国側の事情を一顧だにしないなかにあって、山口壯外務副大臣は、中国政府に対しきめ細かい気配りを示した。山口壯氏は日本の外交を担うだけの高い見識と優秀な能力の持ち主であることを証明した。これから山口壯氏の時代が来るという予感がしている。山口外交が日本国の外交路線になったとき、日本は苦境を脱することができるであろう。 

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上記で森田実が引用している毎日新聞「日中漂流」の記事内容は、かなり衝撃的、スキャンダラスといっていいくらいのものだと私は思うのだが、さほど大きく取り上げられず、世間的にも広く知られることもなく過ぎていっている。
2010年の尖閣諸島沖で起きた中国漁船と海上保安庁巡視船との衝突事故では、衝突時の映像だけがショッキング物件として話題になったが、当時の模様をレポートした記事がフォーサイトに出ている。
尖閣問題“燎原の火”を点けた「酒乱船長」の暴走 http://www.fsight.jp/article/5827?ar=1&page=0,0&ar=1
事故の原因は中国漁船の船長が酔っぱらっていたということなのだが、日中双方の思い込みのすれちがいから、事態が悪化する様子が描かれている。記事の3ページ目には

「酒鬼」船長を抗日英雄と祭り上げ、香港紙に「また釣魚島海域へ漁に行きたい」とまで語らせた中国も、外交的な勝利をアピールするためだけにチャーター機を派遣、地元はパレードで出迎えるなど茶番を演出した。だが一方で、「酒鬼が余計なことをしゃべらないよう」船長や家族を監視下に置き、当面は「行動範囲も制限、香港・海外マスコミから隔離する」と先の中堅幹部は打ち明け、こぼした。
「腰砕けの外交をさらけ出した日本、荒っぽく非理性的な外交を国際社会に印象づけて脅威論に新たな市場を与え、異質さをあらためて際立たせた中国――どちらも傷を負った。結果的に笑ったのは、日米安保体制を強化し南シナ海など中国が関わる領有権紛争に介入しようとしている米国だけだ」

http://www.fsight.jp/article/5827?ar=1&page=0,2&ar=1

それから2年。フォーサイトには“長期化する「日中冷戦」をどう生き延びるか”という記事が出るまでになってしまった。