私の脳裏には「一杯のかけそば」で一時流行ったオヤジの映像がフラッシュバックしてくる。そのせいで、孫崎にうなずいている田中康夫が玉置宏に見えてきたりもする。
『戦後史の正体』のPR動画を見ればわかるが、孫崎享が主張しているのは「鳩山由紀夫と小沢一郎を再浮上させよ」それだけである。対米自立を目指したが故に由紀夫と小沢は失脚させられた、彼らに落ち度はなく、再浮上させることこそわが日本のためになるのだ、そう言いたいだけなのだ、孫崎は。
その言い分を通すために、戦後の政治家の失脚劇はすべてアメリカの謀略によるものだったのだと虚実を織り交ぜてもっともらしく語って聞かせるのだが、一部で話題になっている岸信介再評価も含めて、それらすべては目くらましのためのギミックだ。
「つまらん」で切って捨ててよし。
鳩山由紀夫が自身の軽率な振る舞いで信用を失い、小沢一郎がかねてより疑われていた金の問題でつまずくのは、べつにアメリカのせいではない。身から出た錆。