アメイジング・スパイダーマン2

ユープラザうたづの上映会で吹き替え版を鑑賞。
スパイダーマンの前に、新たな敵エレクトロとグリーン・ゴブリンが現れる。
ピーター(アンドリュー・ガーフィールド)はスパイダーマンになってニューヨーク市民の安全を守る活動を続けながら、恋人グウェンとの将来をどうすべきか悩んでいた。スパイダーマンに助けられ元気づけられたオズコープで働く電気技師マックスは、孤独な毎日の中スパイダーマンへの憧れを強めていく。一方、ピーターの旧友だったハリーは父の死後その後を継ぐ形でオズコープのCEOに着任、自分の遺伝病発症を防ぐためスパイダーマンの血液を手に入れようとする。……
最新技術を投入したアメコミアクションですので、劇場で鑑賞してこそ真価が味わえる作品だったと思います。上映会を開いてくれてありがとう、高松シネマクラブ
おはなしは1からの続きで、でも1を見ていなくても楽しめる形になっていました。ピーター、マックス、ハリーという主要男性登場人物の心象風景は“孤児”なんだろうと想像します。ピーターは育ての親である叔母がいっしょなのと、恋人グウェンがいるので他の二人よりは救われている印象。
原作はアメコミで、その世界をうまく実写化して青春ドラマとしても味わえる映画に仕上がっています。だから、ま、あまり細かいことをつつくのも野暮になるのでしょうけど、前半であれだけ大規模にニューヨークのビルが破壊されているのにいつのまにか元通りになっているのは何故? とか、後半サスペンスを盛り上げるためだけに危険な航路をあえて選択しているのかといいたくなるような飛行機とか、「?」がところどころ点滅しましたが、アメコミヒーローのアクションがつるべうちのように決まるので、それに乗っかって最後まで楽しめました。
ピーターは素顔でいるときは内省的な好青年で、スパイダーマンになるといかにもアメリカ人らしい軽口をたたきながら危機を切り抜けていきますが、たぶんアメリカ人基準ではあれでも控えめ、ユーモアのセンスもちゃんとある人だけれども押し付けがましくないというキャラなのでしょう。このピーターにくらべると「ウォーキング with ダイナソー」のパッチの方がずっとこてこてのアメリカンだったような。パッチは吹き替えが木梨(とんねるず)だったせいもあるのかもしれないけど、幼獣のころからアメリカンキャラができあがっててすごかった。
エレクトロと化したマックスが繁華街に出てきて、周りが全部自分をばかにし憎み殺そうとしていると感じる場面は、心を病んだ人の被害妄想を戯画化して見せられたようで、怖く悲しかった。会社の仕打ちもひどいし、マックスはもっと怒って爆発してもいいのではないかと思いながら見てしまいましたが、一代限りの悪役として散った模様です。
いろいろあって、ピーターはひとつ大人になり、そして戦いが続くことを示唆するような結末。また続編があるのでしょうね。