アンノウン

DVDで鑑賞。
廃棄工場に記憶を失った5人の男が閉じ込められる。
気を失っていた男(ジム・ガヴィーゼル)が目覚めた時、そこは廃棄工場の中。ほかにも4人の男たちが倒れており、縛られている者やケガをしている者も見え、異常な事態だとわかる。しかし、男は自分の名も、何があったのかも思い出せない。
やがて他の4人も目を覚ますが、みんな「ここはどこ、わたしはだれ」状態。床に転がったボンベから出た気体を吸ったためだった。
工場に取り付けられた電話に謎の男から電話がかかってくる。拳銃を忘れた、しばらくするとそちらに行くから、など、犯罪の臭いのすることば。そして、工場内にあった写真のない新聞記事から、ここにいる5人の内、3人が誘拐犯で2人が人質だということがわかる。しかし、誰が犯人で誰が人質なのか。
記憶を失った男たちは他の者を疑いながら、電話をかけてきた犯罪者がここにたどりつくまでに逃げ出そうとするのだが、廃棄工場は強化ガラスや鉄格子によって密室状態になっていた。
一方、人質の妻が身代金を運ぶのを警察が監視していた。現れた怪しい男を警察が追い始める。
密室バトルロイヤルものの変型といっていいのかな。これはもうひとつのジャンルになっているけれども、この作品では記憶を失った男たちの疑心暗鬼ぶり、互いを探り合う心理戦に重きが置かれている。全体を観終わった後は、サスペンス映画としてはアイデアが活かしきれていない不満が残ったのだけど、役者がうまく緊張感のある対話劇が続き、合間で切り替わる警察側の動きを追う映像が気分転換となり、飽きないで観られた。時間が85分なのがいいのかな。
同じ設定で、もっと盛り上がるおはなしにならないかなあと余計な事を考えてしまうね。ドンパチが少ないので、日本や韓国やフランスでも作れそうなんだが。