ISISは一貫して空爆を非難し続けている

四国新聞朝刊では「私たちはどこへ 戦後70年 第2部 戦争の実相」という連載が始まり、まず現在も空襲にさらされている人々の実情を紹介、パレスチナパキスタンで、無人機(ドローン)による攻撃で家族を亡くした市民の声を伝えている。

「悲惨さを知り、繰り返したくないと思った」と、英ロンドン大キングズ・カレッジ教授(戦争研究)、フィリップ・セイビンは45年以降の世界の道筋を解説する。戦後、先進国間では核兵器による抑止力も働き、空襲はなくなった。
しかし朝鮮半島ベトナムイラクアフガニスタンなどで空襲は繰り返された。空襲の悲惨は今も続き、戦闘地域では人々が逃げ惑う。無人機やレーダー誘導ミサイルといった新たな軍事テクノロジーの開発により、攻撃側が自軍兵士の死傷を気遣うことなく、実施できるようになったのが「現代型」だ。
(引用元:四国新聞2015年2月6日 第4面)

ISISは、米人ジャーナリストやヨルダン軍パイロットを処刑する動画で、空爆を非難し、空爆を止めろと訴え続けている。話しかける対象がアメリカをはじめ空爆をしている場合は、常にそうだ。
ISISの動画は残虐場面ばかりが注目され、これは、あの映像の性質からしてそうなるのも当然で作り手のせいとしかいいようがないけれども、空爆で市民が死傷するのを目の当たりにした人たちにとっては、ISISにも三分の理はあると見えるのかもしれない。
日本人人質を使っての動画がオフビートに見えたのは、日本は空爆に参加していないのでISISがいつもの調子でやれなかったからか。
ISIS登場の過程については、岩波『世界』no.862(2014.11)の青山弘之「混乱を再生産するイスラーム国と欧米」がわかりやすいです。
http://www.iwanami.co.jp/sekai/
まず「アラブの春」があり、それに触発されたシリア市民の抗議運動をアサド政権が徹底弾圧、そこから紛争状態になっていったのですね。
アラブの春」とはなんだったのだろう。これは、シリアよりエジプト見ているとそう思う。その国の人でないとわからない事情があるんでしょうね。