呼び鈴鳥

水曜日だったか、朝方、窓の外から鳥のさえずりが聞こえた。わりと近いところにいたのか、大きくはっきりとしばらく続き、めったにないなあこんなこと、と思った。明るい鳴き声、よく響くけど基調はかわいらしい響き、押し続けられる呼び鈴を連想した。なので、どんな鳥だったのかは知らないけれども、呼び鈴鳥、と自分では名付けた。

令和、明るい気持ちで新時代を始めなよ、と告げに天からの使いが来た、そんな気もした。

あの3.11の直前に、ぎぃぃぃぃ、と、不気味な声で鳴く鳥が来て、しばらく鳴いていたことを思い出して、そのときは村上春樹の小説にならって「ねじまき鳥が来た」と一人で思ったんだけど、こんどは明るい、聞いてると元気が出てくるような声だったので、呼び鈴鳥、としました。

こういうのも文化人からは土人的感性と見なされるんだろうな。でも、いい。文化人よりは時々庭に来て鳴く鳥のほうが私には響くから。