ジャニーズ事務所謝罪

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このニュースを見て思い出したのは、何年か前にアメリカで起きた、女子体操選手を育成する学校での性虐待事件。学校かかりつけの医師が加害者として有罪判決を受けたが、事件の全体像はもやもやとした印象のまま終わった。長年にわたって何人もの生徒が被害を受け自殺者まで出ているのに学校側が気づいていなかったというのはおかしいし、また、オリンピック出場を目指して厳しい訓練を受けている生徒たちは医師からすると扱いづらい相手で他の医師は逃げ出し、いやがらずに引き受ける加害者になった医師だけが残っていた、など、事件の根底にあった歪みははっきりと語られないまま終わっている。

ジャニーズの場合は芸能界の事件になるので、芸能ニュースとして消費されることになり、ハリウッドバビロン的デフォルメが遠慮なくされそうな悪寒がする。まずは被害を訴えている方が正当に扱われることを願う。

 

話は飛ぶんですが、小林信彦『テレビの黄金時代』(文春文庫)を読むと、日本のテレビの音楽バラエティを牽引したのは、進駐軍のキャンプ回りをしていたジャズメンが多く、アメリカの映画やテレビ番組の影響も含めて、進駐軍文化というのが日本戦後大衆文化を見直すとき外せない因子。ジャニー喜多川も出自からしてそこに入る。このあたりをわかりやすく解説してくれる新書が出たらうれしいなと思ったり。そういうことを書いた本は既に出ているのかもしれませんが、もっと入門書感覚で。「戦後」というのも既に終わり、歴史のひとつとなりましたから、歴史を検証するように淡々とやっていただければ一般人にも読みやすいかなって。