『世界』2023年10月号 大瀧哲彰「SEALDs、それから」

 

全国で安保法案反対の声が上がった、2015年の安保闘争。SEALDsはその時代の象徴的な存在だった。当時の大学生は、憲法学者憲法違反と指摘しているにも関わらず法案が可決されようとしている理不尽に対する怒り、また、仮に戦争になれば自分たちの世代が戦地へ駆り出されるのではないかという危機感から、学生たちによるデモを組織し、反対の声を上げた。デモになじみがなく、どうすればいいのかとまどっていた彼らに、SEALDs創設メンバーはアドバイスした。

 社会人になったいま、当時各地でSEALDsとしてデモに参加した人たちはどうしているのか。彼らと同世代の筆者が、いろいろな人たちに取材した記事。弁護士となって今も市民運動に積極的に関わる人がいる一方で、元SEALDsとしての取材には応じられないという人も多かった。

 この記事からは、SNSの持つ両義性が分かる。当時の大学生に、同じ問題意識を持つ同年代の若者とつながるツールとなったSNSは、同時に彼らを傷つけもした。デモに参加した自分の姿を切り取った動画や写真に揶揄やデマを添えたツイートが拡散される。何年も経ったいまでも、検索するとそういうツイートが出てくるという。

 そのため、もう市民運動に関わることはないだろう、と語る人もいる。

 くわしくは『世界』10月号で読んでください。