ブッシュ大統領も就任当時は影が薄かった

影が薄い、という言い方は変かもしれないが、投票システムの不備のせいで本当に勝ったのかどうかよくわからない状態で大統領に就任。公的な発言でも言い間違えが多く、からかいの種がつきなくて、軽く見られがちだった。あまり強烈な印象はなかったのだ。
日本では、ブッシュは内向き志向のようなのでどう対応すればいいのかと心配する記事が出ていたりした。
しかし、9.11テロをきっかけに、どーんと支持率が上がったのだ。そして、発想形態は内向きのまま、外に積極的に出て行くようにもなってしまった。戦争する大統領として、強烈に際立つ存在になってしまった。
安倍さんは小泉前首相にくらべると、今のところ静的に見え、不器用な印象さえある。しかし、何かをきっかけに化けるかもしれない。
人間性が伝わってこない、と批判めいた口調で言われたりしているけれど、色がはっきり決まっていない、ということは、これからどんな色にでも染まれるということではないのか。どうなるのかわからない、のが今の安倍首相ではないのだろうか。
小泉にくらべるとソフトなイメージ、というのとは別に、「目標は改憲」と淡々と明言している男でもある。これはほとんど「上からのクーデターを実行する」と宣言しているに等しい。一見地味だが下地は出来上がっているのもしれない。
でも、まだ始まったばかりだし、破壊王小泉の後始末をする役回りにもなってしまっていたりするし、できることならよい方向に進んでもらいたいわけで、首相にはそれをする力があるのだからそう願わずにはいられない。