バッシング

DVDで鑑賞。
監督・脚本 小林政広; 主演:占部房子
海外で人質になり戻ってきたボランティアが日本でバッシングに遭う話。
ヒントになっているのは、イラク三人人質事件だと思われる。
紛争地帯で人質にされる事件にあうも無事帰国できた主人公は、もう一度現地でボランティア活動をしたいと働いてお金を貯めようとしている。しかし、周囲の視線は冷たく、インターネット上には誹謗中傷が書かれ、自宅には匿名の主から非難する電話がかかってくる。自宅だけではなく、主人公の父親の勤め先にも非難の電話やメールが何件も寄せられ、父親は会社に居づらくなる。友人たちも自分の気持ちをわかってくれてはいないと知り、主人公は疎外感・孤立感を深めていく。
北の小さな町を舞台に、事件のせいで社会的なバッシングの対象とされてしまった女性の孤独な戦いが描かれる。北国の風景も見もの。
北の景色が妙に印象深く感じられるのは私が四国に住んでいるからで、北の地方に住んでいる人にとっては馴染み深い景色でしかないのかもしれないけれど、草や木や海や空や、寒い地方にしかないものがある。この映画では、主人公の孤独と強さをよく引き立てる背景になっていたと思った。