ソルジェニーツィン死去

ソルジェニーツィン氏死去/ソ連時代の反体制作家 - 四国新聞社
3日、モスクワの自宅で死去。享年八十九。
四国新聞8月5日には評伝も載っていました。ソ連の収容所の実態を暴いた『収容所群島』など、当時のソ連の人権弾圧を告発する作品を発表し、国を追われてもソ連の体制批判を続けた作家でした。しかし祖国への愛着は終生変わらず、晩年はロシアのチェチェン独立派への軍事行動を支持するなど民族主義を助長するような発言もし、ロシアの民主化の後退を懸念する欧米での氏への評価は複雑なものになっていったそうです。
収容所群島』は日本でも翻訳されて出版されたとき話題になっていたのを記憶しています。私は読んでいないのですが、この題名だけは覚えています。
ところで、最近注目ニュースになっているGoogleストリートビューですが、記事を読んで思い出したのが『収容所群島』でした。
ニュースを読んでなんかきもいなと思ってしまったのですが、上の記事にはこの「なんかきもい」というかんじに輪郭を与えてくれるような文章が出ていました。
機械化帝国Googleが破壊する「生身の人間」- こころ世代のテンノーゲーム
民営の監獄都市あるいは監獄世界をグーグルは生み出すのか? - 小烏丸の日記
プライバシーなんておまえらにはいりませんから、となれば、私たちは収容所で生きさせられるということにならないでしょうか。
Googleは「現代の衛星画像技術では、現代の砂漠においてさえも完全なプライバシーは存在しない」といい、自分たちのしていることはなんらおかしいことはないと主張しているそうですが、この衛星画像がうんたらというあまりにも大雑把な物言いは、星新一ショートショートのネタならいいんですけど、プライバシー侵害で訴えられかかっている大企業の発言としてはひょっとして実はアホなのかというGoogle不信を喚起するのに十分なすかすかぶりだと思いました。
プライバシーは存在しない、と、まるで世界中の人たちがこの点においてはすべて平等な立ち位置にいるかのような、だから、だれでも同じなんだから気にすることないでしょう、とでも言いたいのでしょうか。
特権階級、警備陣に守られた広大な敷地内の大邸宅に住む大富豪やゲーテッド・コミュニティーに住む選ばれた者と、そうでないそこらの一般人と、プライバシーの侵害の危険に差がないとでもおっしゃるのでしょうか。
自由競争ができる社会なら誰でも競争に参加できるんだからそれでいいでしょう、と、実態は人によって立場や事情が様々で競争に参加するにもそのときの条件がまったくちがっているのをないことにして、不平等など存在しない、そういうことにしてしまうのと同様の粗雑さ。
「べつにやましいことをしてないんだったらいいじゃん」という楽観的な意見もあるようですが、当人がどう思っているかなんていうのはどうでもいいことなんです。
怪しいか怪しくないか、それを決めるのは盗撮される私たちではない。審判する側にいるのは、ブッシュやチェイニーやラムズフェルドみたいなオヤジたちなんじゃないでしょうか。
Googleはもうあちら側の味方になってるのかもしれないね。