大阪府の橋下徹知事が、3日付の朝日新聞の「橋下TV発言 弁護士資格を返上しては」と題した社説を批判した問題で、橋下知事は20日、出張先の東京で報道陣の取材に応じ、「朝日が早くなくなれば世の中のためになる」などと発言。“朝日批判”をさらにエスカレートさせた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/081020/lcl0810202014006-n1.htm
(中略)
テレビでの発言をもとに弁護士資格の返上を提案した社説については「朝日はからかい半分で、事実誤認もあり今すぐ廃業すべきだ」と述べた。
橋下府知事はこれまでにも陸上自衛隊の式典で、つっこんでくれといわんばかりの軽薄な発言をしてきており、よって今回の発言も「またかよ」ですませたくなるところだが、やはりこれはメモしておかないといけないのではないか。一時期朝日の悪口言ってはしゃいでいた痛い過去を持つ私はそう思ったのである。
いまどきこんな朝日の悪口聞いてよろこぶのは中山成彬ぐらいのものではないだろうか。受け狙いにしても、すべりかかってないか?
いや、そんなことは、どうでもいいのだ。
朝日に限らず大メディアというのは、私も時々大反発したくなるようなことがめずらしくない存在ではあるのだが、マスメディアの力というのは受け手と連動することで発揮されるわけで、メディア、とくに新聞が不能になるということは、受け手である私たちも力を失うということだ。
権力に対抗する手段を自らつぶすようなことはしてはならない。
一般人にとっては、場合によっては権力とも化すマスメディアだが、そんなマスメディアが言論を封じられるようになったなら、名も無き一般人が声を上げられる余地などなくなると思ってまちがいない。
インターネットがあるから大丈夫、なんて見方を私はしない。いざとなればネットほど規制されやすい場所はないのではないだろうか。
だから、権力者が「新聞をつぶせ」などと公の場で発言しているのを見過ごすことはできない。
今回の橋下発言で、大阪、ということもあってか白虹事件を思い出してしまった。
「白虹事件」というのは? - 2008年8月21日(木)「しんぶん赤旗」
橋下の軽薄なたたずまいにだまされてはならない。権力とは恐るべきものなのだ。そして橋下には安倍ほどの自覚も感じられない。より性質悪き物件だと思われる。
なお橋下が「からかい半分」だと言う3日付の朝日新聞の社説は「カナダde日本語」で読めます。
朝日の社説「弁護士資格を返上しては」に激怒する橋下の知的レベル - カナダde日本語
いたってまっすぐに批判してるだけで、からかい半分だとは思えないのだが。