女詐欺師と不審死

今年は1989年に似ているのではないかと書いてあるブログをいくつか見た。有名人の死が相次ぐこと、日本では政権交代という大きな変化があったこと、世界的には冷戦以後一人勝ち状態になっていたアメリカが勢いを失い、潮目が変わった印象が強いことなどから、あの1989年を思い出す人が少なからずいるようだ。
日本では1989年はあの宮崎勤が逮捕された年でもある。犯罪という面でも時代を画する出来事があったと見ることも出来る。
それでは今年、犯罪者で1989年の宮崎勤に対応するのは誰か、ということになると、秋葉原での無差別殺人を挙げる人もあるだろうが、わたくし的には、例のクックパッドでブログを書いていた女結婚詐欺師になる。
ここからは「妄想乙!」な世界になりそうですが。
90年代になると、援助交際がブームになる。宮崎勤と殺された幼女の年齢差は、援助交際での男と少女の年齢差とほぼ重なる。宮崎と同年代の一部の男たちは十年後に、殺された幼女と同年代の少女と、「彼女たちは自己責任で自分から進んで売春したがっているんだから」という言い訳で、大人としての子供に対する責任をないことにして、要領よく援助交際を楽しんでいたのだ。
そして、90年代の終わりから十年経った今、34歳の女詐欺師の周りで次々に男が死んでいく。この女詐欺師は老人が貯め込んでいた金を引き出して世の中に回していたのだから、一部のエコノミストの要請に適う振る舞いをしていたともいえる。
宮崎勤が日本の男にありがちな心性を最も純化した形で見せてしまったように、この女詐欺師は今の日本の女にありがちな傾向を最も極端にした形で見せてくれているのではないだろうか。テレビのニュースではぼかしが入った心霊写真のような顔で出てくるが、それがふさわしい事件だとも思う。この二十年間のツケが亡霊化してあらわれたような気がするのですよね。

追記

秋葉原の無差別殺人が起こったのは去年ですね。若い男が注目を浴びた事件、ということで、上で例に挙げましたけど、今年起きた事件ではないです。