『群像』2011年5月号

暑いね。図書館に寄ったので、ネット上の一部で話題になっていた『群像』2011年5月号を見てきたよ。『週刊金曜日』でも紹介されていた伊坂幸太郎の短編「PK」ね。読んだけど、正直、なんで一部の人があんなに盛り上がっているのがよくわからなかった。登場人物の一人が大地震の到来を予感して心配しているというくだりのせいなのだろうか。これは読んだときの私の気分のせいなのかな、勇気にしろ臆病にしろ伝染するのがナンギなんじゃないのと思ってしまってね。
「勇気が伝染する」というのは、いいはなしだとは思うよ。でも、少年マンガ的にいいはなしなのであって、なんで『群像』くんだりでそんなことしてるのかな。ちなみに、私は伊坂幸太郎の小説はこれがはじめてです。ずっと読んできている人ならわかることが私にはわかってないというのはあるだろう。
「タカハシさん」のは平常運転だなという感想。違和感も覚えた。描かれたタカハシさんのご様子から連想されるのは「敗戦のショック」だったので、そうなると、3月11日になるまでずーっと自分がしたり顔で発していたことばこそが「戦時下のことば」だったということにはなりませんでしょうか。そういう可能性、側面もあるかもしれないですよね。まあ、どっちにしても、たいしてちがいはないようなので、タカハシさんが喋っていられるならタカハシさんはそれでいいんでしょうし、他人がどうこういうことでもないだろう。
高橋克彦は東北で被災したとのこと。心配です。健康に気をつけて、できれば被災体験記を書いてもらいたい。